この世の果てで恋を唄う少女YU-NO

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この 無数に存在すると言われるパカニバリズムの描写にも挑戦している。PC98版(18禁)、セガサターン版(推奨年齢18歳以上)、Windows版(18禁)がある。OVA化、漫画化、小説化もなされた。詳細は以下の各項を参照。

タイトルの由来

「この世の果て」とは、本作の主人公が物語の最期に行き着く世界のことである。また、「YU-NO」は物語の鍵を握る少女の名である。

タイトルは、ハーラン・エリスンSF小説『世界の中心で愛を叫んだけもの』(1969年)に由来すると思われる。PC98版YU-NOの制作期間は八ヶ月だったというから、1996年4月頃に開発が始まったはずであり、アニメ新世紀エヴァンゲリオン』の最終話「世界の中心でアイを叫んだけもの」(1996年3月27日)が放送された時期と重なるが、菅野ひろゆきがSFに造詣が深い事を考えると前者に影響されたと考えるのが自然であり、自身の長年の構想を実現させる作品に放映されたばかりのアニメから流用するとも考JNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNNM、因果律エネルギーが外界から層流に供給され、因果律の伝達速度と事象粘性の比がある値を超えると、不安定な状態になり、因果律の渦が形成される。これが乱流である。

層流の場合、因果律は一方向にのみ流れる。対し、乱流の場合は、事象Aが事象Bを生み、事象Bが再び事象Aを生むといったことが起こり得る。因果律の渦は周囲にエネルギーを渡しながら運動を続けるため、外部からのエネルギー供給が途絶えると、層流に戻る。

事象のシュヴァルツシルト半径

Rデバイスを用いれば時間旅行が可能になると述べたが、「事象密度」が著しく高い世界に接近すると、過去や未来、別次元の世界に移動することが困難になる。脱出速度を例に、この現象を説明しよう。

ある天体の表面に置かれている物体が、天体の重力圏を完全に脱するには、以下の式で表される初速v(脱出速度)を水平方向に得る必要がある。

<math>v = \sqrt{ \frac{2GM}{r} }\quad(7)</math>
G:万有引力定数 M:天体の質量 r:天体の半径

vに光速cを代入すると、脱出速度と光速が等しくなる時の半径

<math>r=\frac{2GM}{c^2}\quad(8)</math>

が求まる。この半径より内側の領域においては、さえも天体の重力からは逃れられない。いわゆるブラックホールである。重力場方程式を解き、ブラックホールの存在を示唆した天文学者シュヴァルツシルト」にちなみ、(8)をシュヴァルツシルト半径と呼ぶ。

「事象密度」は事象の起こりやすさを表すため、「事象密度」が極めて高い世界はさながらブラックホールであり、接近すると他の世界への移行が困難となる。この時、「事象密度」の逆数を「限界半径」、もしくは「事象のシュヴァルツシルト半径」という。「限界半径」の内側においては、いかなる手段を用いようとも他の世界への移動は叶わない。「運命」と呼ばれる状態である。

ノイマン世界

系が完全に閉じられており、因果律が外部の系に流出しない(また、外部の系から流入しない)世界をディリクレ世界という。逆に、これらが起こりうる世界をノイマン世界と呼ぶ。ノイマン世界においては、内部の因果律と外部の因果律が衝突するため、因果律の破綻が生じる。他方、ディリクレ世界の因果律が破綻することは通常ならありえないが、並列世界との干渉が起こると、ノイマン世界となる。我々の常識に反する現象(超常現象)が時おり現実のものとなるのは、このためである。

ノイマン世界は、ディリクレ世界の内部にも存在する。国家文明をひとつの系と見なせば、異文化の流入は因果律の破綻を意味する。極東島国であった日本(ディリクレ世界)は、黒船の来航、文明開化などにより、ノイマン世界になったと解釈される。

スイス心理学者ユング」が提唱した共時性(心に思い浮かべた風景と外部の事象が、なんらかの働きによって一致する現象)と呼ばれる概念も、個体をノイマン世界と見なすことで説明が可能になる。一般には単なる偶然とされるが、外部から流入した因果律が本人の意識に影響を与えたとすれば、心の風景と外部の事象が一致してもおかしくはない。虫の知らせも同様である。また、ユングの師であるフロイトは、抑圧された意識が無意識を形成すると考えた。無意識はなどの形を取って本人の意識に現れるが、無意識から自我に向かって因果律が流れていると仮定すると、自我もやはりノイマン世界となる。因果律の流入は大抵の場合、意識では捕らえられないため、本人は共時性や虫の知らせを不思議がることになる。

Rデバイスは「事象密度」を調整することにより、ノイマン世界の境界を超える(外部の系に移動する)ことを可能にする装置であると言える。

並列世界

我々が暮らす世界は様々な可能性をふくんでいるため、時おり複数の世界に分裂する。分裂の元になる世界を「原世界」、分裂により生じた世界を「従属世界」と言う。並列世界とは、「原世界」から見た「従属世界」のことである。従って上図の場合は、世界B,C,Dが世界Aの並列世界にあたる。B,C,Dの差異は微々たる物だが、分裂を重ねるたびにそれは広がり、ついには似ても似つかない世界になる。

Rデバイスを使い、同じ層に存在する別の世界に移動するとなにが起こるのだろか。別の世界にも「自分」は存在するのだから、ふたりの「自分」がひとつの世界に並び立つことが予想される。しかしこれは誤りである。b層を例にとって説明しよう。世界Bの「自分」がCに移動すると、Cの「自分」はDに押し出される。質量保存の法則が働いた結果である。これによりDの「自分」もBへの移行を余儀なくされる。「自分」と「自分」の鉢合わせは起こり得ないわけである。

下層(従属世界)から上層(原世界)に移動する場合はどうだろうか。従属世界B,C,Dの因果律は基本的にそれぞれ独立しているが、ひとつの世界で原世界Aへの移動が起こると、他の世界でも同様の現象が生じる。このため、b層の従属世界はすべて消滅する。上層から下層への移動は、従属世界を形成することによってなされる。

従属世界の形成・消滅エネルギーEは拡張アインシュタイン則(6)から導かれる。

<math>E=\sum_{j=1}^m M_j(\rho_j,\phi_j,H_j,t_j)\left\{ C_j(\rho_j,\phi_j) \right\}^2\quad(9)</math>
m:従属世界の数 Mj:次元等価質量 ρj:事象密度
Φj:事象ポテンシャル(起こりうる事象の数を表す) Hj:次元の保有空間
tj:次元の保有時間 Cj:因果律エネルギー

カオスの矯正

事象移動により持ち越せるモノ(物体に限らず)が世界の許容範囲を逸脱した場合、それは世界から「矯正」を受ける対象となる。例えば主人公は、チャートの終端地点にたどり着いた際に「カオスの矯正」として強制的に始端地点まで飛ばされてしまう。これは、異端分子の知識・モノを持つ主人公がより長い時間を過ごすにつれ、主人公の可能性存在が増える=可能性世界の増殖速度が指数関数的に増大する為である。

また、「カオスの矯正」を受けた主人公は事象移動前の記憶を殆ど忘れてしまう。これは、別事象での記憶を失う事で、ある程度反復した行動を対象者に半ば強制する事を意味する。つまり、Rデバイスを所持する主人公の無数の可能性存在が各事象に跋扈する事で可能性世界が無限に増殖する、そのような事態を世界が未然に食い止めている。もっと具体的に言うと、主人公の行動パターンがカオス領域に発散せず、一定の周期軌道内に収まる事を実現していると言える。つまる所、事象移動者の行動パターンが一定の周期軌道内に収まるという事は、可能性世界の増加に頭打ちが来るという事である。YU-NOのチャート分岐が定められた数しか無いのも、これにより説明出来る。

ブリンダーの木

事象的介入により可能性世界が爆発的に誕生してゆく様を、その時間発展の様子からツリー構造に見立て、その全体を「ブリンダーの木」と呼ぶ。つまり「ブリンダーの木」を(時間的に)さかのぼると、あらゆる事象の根源、すなわち宇宙の始まりにたどり着く事になる。

ちなみに、ブリンダーの木はゲーム中に示される分岐チャートとは異なるとする意見が多勢である。もし分岐チャートが「時は可逆、歴史は不可逆」というYU-NOの根底理念に基づいている(=ブリンダーの木)ならば、主人公がRデバイスを使った時点で、分岐チャートは別の可能性世界における分岐チャートとして、その全体が様変わりする必要があるからである。これについては、恐らくRデバイスが行っている時間跳躍は「歴史も可逆」を実現するような特殊なものであろうと解する意見がある。

開発の経緯

オートマッピング

本作の目玉であるA.D.M.Sは、マルチシナリオと呼ばれる手法に様々な工夫を加えることで成立した。A.D.M.Sに対する理解を深めるため、まずはマルチシナリオの特徴から見ていこう。

この手法は、「弟切草」(チュンソフト)のヒットを契機に、ゲーム業界に定着した。完全に独立した複数の物語をひとつの作品に収めるオムニバスと違い、主人公の行動や選択により物語が枝分かれしてゆくところに特徴がある。枝分かれの様子を図にしたものを、分岐チャートと呼ぶ。シナリオの分岐が複雑を極める場合は、チャートを作成しながらゲームを進めることになるが、これは大変わずらわしい作業である。

本作品の企画・脚本・ゲームデザイン・総合プロデュースを担当した菅野ひろゆき(当時のペンネーム剣乃ゆきひろ)は、上述の問題を解決するため、ダンジョンRPGオートマッピングをマルチシナリオ型AVGに適用することを考えた。オートマッピングとは、ダンジョンの地図を自動的に作成してゆく機能である。主人公の現在地を確認したり、ダンジョンの全体像を把握するのに役立つ。オートマッピングは今でこそダンジョンRPGの常識だが、古くは遊び手が方眼紙にマップを描いていた。PC-8001の時代からパソコンゲームを愛好する菅野ひろゆきは、こういった手間もゲームの醍醐味のひとつだったと語る。分岐チャートの作成についても同様のことが言える。しかしゲームの進化に伴ない、手間を楽しむ感性は過去のものとなり、より便利なシステムが求められることになった。菅野ひろゆきは、先述したマルチシナリオの問題点がいつになっても解決されないことに歯がゆさを感じ、分岐チャートを自動的に作成する機能を考案する。このシステムは「Auto Diverge Mapping System」(オート分岐マッピング・システム)の頭文字を取り、A.D.M.S(アダムス)と名付けられた。

神の視点

A.D.M.Sは過去に例を見ない斬新なシステムであり、マルチシナリオを採用することがなかば常識となったAVGの世界に変革をもたらす可能性を秘めていたが、菅野ひろゆきの脳裏にはある疑念が浮かんでいた。主人公の行動によってシナリオが分岐することを知っているのは、ゲームの物語を「外」から眺める遊び手のみである。ゆえに、主人公が分岐チャートを描くことはありえない。分岐チャートを作成し、遊び手に提示する役目を負うのは誰なのか。

同様の問題は、RPGの世界にも存在する。RPGは「Role-Playing Game」の略であり、「役割を演じる遊び」と訳される。遊び手は主人公になりきってゲームの世界を旅することになるはずだが、この建前は必ずしも守られていない。多くのRPGに導入されている「経験値」を例にとって説明しよう。戦闘を重ねるたびに蓄積される経験値は、RPGの柱とも言えるシステムである。従って、遊び手は主人公の経験値を確認しながらゲームを進めることになる。主人公が記録しているわけでもないこの数値を、遊び手が知っているのはなぜか。菅野ひろゆきの言葉を借りるならば、「神の視点」でゲームの世界を眺めているからである。

A.D.M.Sの導入によりマルチシナリオ型AVGの攻略は容易になろうが、主人公のあずかり知らないところで分岐チャートの作成を行うと、遊び手に「神の視点」が生じ、主人公と遊び手の意識が乖離することになる。YU-NOの製作を「真のロールプレイングへの挑戦」と位置付ける菅野ひろゆきにとって、これは深刻な問題だった。

並列世界

「神の視点」を解消するには、主人公にも分岐チャートを見せる必要がある。現実の世界に生きる我々は通常、過去から未来に至る道は一本しかないと考えている。それはゲームの主人公も同様なのだから、主人公が分岐チャートの存在を知ることは極めて不自然である。菅野ひろゆきはこの問題を解決するため、並列世界(パラレルワールド)の導入に踏み切った。主人公が暮らす世界の周囲には別の世界が無数に並列しており、別の世界への移動はシナリオの分岐に相当すると考えることにしたのである。この場合、分岐チャートの視覚化は並列世界の視覚化と同義であり、決して不自然なことではない。分岐チャート(並列世界の構造)を自動的に描く「装置」を持った主人公は、ある目的を果たすため、この「装置」を頼りに並列世界を渡り歩いてゆく。分岐チャートはもちろん遊び手にも提示される。主人公と遊び手の一体化(真のロールプレイング)である。

転機

A.D.M.Sは当初、シーズウェアのAVG「XENON」(1994年)に搭載される予定だった。しかし、同社は一作の開発に長くても四ヶ月しか時間を割かない方針をとっていた。企画、シナリオ、スクリプトプログラミングをひとりですべてこなす菅野ひろゆきに、オートマッピングの実装を果たす余裕は存在せず、採用は見送られた。

菅野ひろゆきは「EVE burst error」(1995年)の開発を終えると、1996年、アダルトゲーム業界の老舗と称されるエルフに移籍する。同社は優れた開発力を有しており、八ヶ月もの時間と専任のプログラマ菅野ひろゆきに与えた。シーズウェアに在籍していた時には実現が不可能だった先の構想が、ようやく陽の目を見ることになった。PC98版YU-NOの開発は、こうして始まったのである。

本編の内容は現代編と異世界編に分けられる。無数に並列する現代の日本を渡り歩き、「宝玉」と呼ばれるアイテムをすべて集めると、物語の舞台は、古代西洋を連想させる異次元の世界に移る。ゲームデザインとシナリオに専念することが可能な環境を手に入れ、開発に意欲を燃やす菅野ひろゆきは、現代編(標準的なプレイ時間は30~40時間)を「大いなる序章」、異世界編を本編と位置付けていた。しかし、開発の遅れから現代編が本編となる。当初の構想は七割ほどしか実現しなかったという。このためか、現代編と異世界編は非常に対照的な作りになっている。前者がA.D.M.Sとアイコンクリック(詳細はシステムの項を参照)を採用しているのに対し、後者はシナリオの分岐を持たない上、コマンドを選択することでゲームを進める形式をとっている。

菅野ひろゆきは1997年、アーベルを設立するが、この時、同社のWEBサイトにおいて、「YU-NOは自分の中で駄作だったが、市場のポジティブな評価を知って自信を取り戻した」という趣旨の発言をしている。開発中は、異世界編が従来のAVGとなんら変わらない内容になったことに失望していたのだろう。

エルフの挑戦

さて、YU-NOの開発はアダルトゲーム業界にひとつの話題を提供することになった。

エルフが当時(1996年)、業界の最大手と言われていたのは、「ドラゴンナイト」(1989年)や「同級生」(1992年)のヒットによるところが大きい。特に同級生は、アダルトゲーム市場の基礎を築くのみならず、美少女ゲームブームの先駆けとなった「ときめきメモリアル」(1994年)に多大な影響を及ぼすなど、顕著な功績が認められる。これらのタイトルを手掛けたのは、同社の代表取締役(当時)を務める蛭田昌人である。他方、シーズウェアに在籍していた菅野ひろゆき(当時のペンネーム剣乃ゆきひろ)も、「DESIRE」(1994年)および「EVE burst error」(1995年)のヒットにより名声を高めていた。

1996年、菅野ひろゆきはエルフに移籍する。詳しい経緯は不明だが、PC98時代のアダルトゲーム業界を代表する両者が一堂に会すことになったのである。蛭田はYU-NOの製作を菅野ひろゆきに一任した上で、今後、自身の作るゲームと菅野ひろゆきの作るゲームが交互に発売されるとの見通しを示した(電撃王1997年1月号、1996年12月7日発売)。エルフの作品はそれまでもっぱら蛭田が手掛けていたから、これはある意味、美少女ゲームに限らずゲーム世界での衝撃的な事件だった。電撃王は、YU-NOの製作をエルフの「新たな挑戦」「転換期」と位置付けている。

ふたりは互いの力量を認め合う仲だった。

「良いゲームを創るために心血を注ぐ男」(蛭田が菅野ひろゆき(剣乃ゆきひろ)を評して。電撃王1997年1月号)

「強力なゲームデザイナー」(菅野ひろゆきが蛭田を評して。YU-NO 完全ガイド)

しかし両者はやがて袂(たもと)を分かつことになる。1997年、セガサターン版YU-NOの開発を終えた菅野ひろゆきが「理想の環境」を求めてエルフを退社、アーベルの設立に踏み切ったからである。参考サイト「ZDNet Japan - Gamespot - Interview 7/30」(このページはすでにリンクが切れているが、Internet Archive上で閲覧が可能) 1/3 2/3 3/3

蛭田と交互に作品を制作する予定だったにも拘らず退社したことから、菅野ひろゆきとエルフの確執が一部で噂された。真相は不明だが、少なくとも菅野ひろゆきは「転機」の項に記したエルフの環境を肯定的に捉え、「この環境がなければ『YU-NO』は生まれなかったでしょう」(ファウスト 2004 MAR Vol.2)と述べている。

総評

当初の構想が頓挫し、失意に陥る菅野ひろゆきだが、1996年末に発売されたPC98版YU-NO(アダルトゲーム)は高い評価を受けた。物語の背後に隠された壮大な世界観とA.D.M.Sの斬新さがAVGファンの心を掴んだのである。他方、異世界編が一般的なAVGとなんら変わらない内容になっていることを理由にYU-NOを低く評価する者もいる。月刊デジタルメディアインサイダーの集計によれば、販売数は4万5000本ほどであり、1996年のアダルトゲーム市場において鬼畜王ランスアリスソフト制作)に次ぐヒット作となった。もっとも、エルフが行っていた通信販売は集計の対象外であるから、実際の販売数は上記の数字よりも多いはずである。

PC98版の成功を受け、1997年末にはセガサターン(SS)への移植も行われた。電撃プレイステーション集計によると累計で23万980本という堂々たる数字を残した。(週刊ファミ通の集計によるとSS版の販売数は14万本と記載されるが、集計期間の差かもしれない)。1997年に発売されたコンシューマーゲームの中ではかなりの上位であり、健闘と言えよう。

YU-NOが好評を博したことは上記の事実から明白だが、現在のエルフはYU-NO(もしくは菅野ひろゆき)の存在を快く思っていないのか、移植やリメイクには消極的である(詳しくは菅野ひろゆきの「菅野とエルフ」を参照)。YU-NOのリメイクを望む声は、今もファンの間で根強い。

さて、YU-NOはA.D.M.Sの採用によりAVGの新たな可能性を市場に提示したが、A.D.M.SとYU-NOの世界観は表裏一体の関係にあるため、A.D.M.Sだけを切り取って他のAVGに転用することは困難である。単純なマルチシナリオがAVGの主流となっている現状とあいまって、A.D.M.Sをさらに発展させようという動きはいまだゲーム業界に見られない。

ポストモダンとの関連

哲学的な見地からYU-NOを高く評価する向きもある。哲学者東浩紀は、いわゆるオタク文化とポストモダンの関係を論じた『動物化するポストモダン』の中でYU-NOを取り上げ、詳細な分析を加えている。ポストモダンとは「近代(モダン)に次(ポスト)に現れる世界」のことだが、同書は簡便のため「1970年代以降の世界」と規定している。YU-NOを初めとするオタク文化にはポストモダンの本質がよく現れているとする東の論を、以下に概観する。

シミュラークルとデータベース

フランスの思想家ボードリヤール(1929-)は、ポストモダンの出現により、シミュラークル(オリジナルを持たない模造品)が社会に蔓延すると考えた。アマチュアのみならずプロの作家までもが、コミックマーケットやインターネットで二次創作を盛んに発表し、オリジナルと模造品の区別を消滅させている昨今の状況は、シミュラークルの蔓延に他ならない。

また、リオタール(1924-1998)は、ポストモダンの特徴を「大きな物語の凋落」に求めた。大きな物語、すなわち国家の運営に必要な思想、道徳、価値観は、近代の終焉と共に役割を終え、我々は依拠すべきものを失うのだという。オタク文化の愛好者が閉鎖的な共同体に閉じこもるのは、大きな物語に代わる新たな価値観、規範を求めてのことだった。

近代の世界観は、社会の深層に存在する大きな物語によって規定されていた。これを投射モデルと呼ぶ。対し、ポストモダンの世界は、データベース・モデルによって捉えられる。深層に広がるのは今やデータベース(情報の集合)のみであり、我々の眼に映る表層的な世界(シミュラークル)は、データベースの情報を様々に解釈することで形成される。近代の世界観は一通りしか存在しないが、ポストモダンの世界観は思想や価値観の数だけ存在することになる。各作品の設定(データベース)を元に二次創作(シミュラークル)が次々と作られてゆくオタク文化の現状は、ポストモダンの特徴をよく反映していると言えよう。

解離的な共存

データベース・モデルは作品の内部にも存在する。たとえば、アドベンチャーゲームの物語は複数の素材(テキスト、画像、音楽)を組み合わせることで作られるが、素材の集合を作品のデータベースと見なすならば、遊び手の眼前に提示される物語はシミュラークルとなる。ポストモダンの体現者たるオタクは、シミュラークルとデータベースを同時に消費することを欲する。データベースの消費とは、ゲームのファイルから素材を取り出し、作品の成り立ちを明らかにすることである。素材は大抵の場合、暗号化されているが、高度な知識を持った有志によって公開されるソフト(Susieなど)を用いれば、汎用的な形式(画像ならbitmapJPEG)に変換することが可能になる。暗号の解析は言うまでもなく手間を要する作業である。彼らがそれでも解析に挑むのは、データベースの消費を強く志向しているからである。シミュラークルへの欲求とデータベースへの欲求が互いに切り離された状態で共存することを、「解離的な共存」と呼ぶ。

ポストモダンの自覚

マルチシナリオの構造もデータベースの一部である。ゆえに、分岐チャートを作成し、物語の成り立ちを解明することは、データベースの消費と等価である。これに対しYU-NOはA.D.M.Sを採用することで、従来は秘匿されていた分岐チャートを見えるものにした。遊び手がデータベースに対して抱く欲求は作品の内部で満たされることになる。ポストモダンの特徴(シミュラークルの消費とデータベースの消費)を自覚することから生まれたYU-NOを、東は「きわめて重要な作品」と評する。

超平面性とポストモダンの寓話

あるシミュラークルと他のシミュラークルの関係は、「超平面的」という言葉で捉えられる。データベースを様々に解釈することで無数に生産されるシミュラークルは、互いに等価である。ゲームの場合、二進数の列(データベース)がプログラム(シミュラークル)を規定し、プログラムがテキストや画像(他のシミュラークル)を描き出すのだから、必ずしも等価とは言えないが、両者の実体はいずれも二進数である。プログラムをエディタで開けば、ゲームの画面とプログラムを同一のディスプレイに並べることが可能になる。異なる階層のものが同じ平面に並ぶという意味で、これを「超平面的な世界」と呼ぶ。世界が無数に並列するYU-NOの物語は、ポストモダンの特徴である「超平面的な感覚」を元に作られたのである。

さて、「超平面的な世界」を生きるYU-NOの主人公は、他の世界に移動するたびに記憶を失う。ある種の矛盾を含んだ設定だが、東によれば、記憶の断片化は解離性同一性障害(俗に言う多重人格)の流行を反映しているという。従来は全く認知されていなかった解離性同一性障害の報告例が1970年代(ポストモダンの始まり)に入って急増したことから、この疾患を「文化的な運動」と解釈する向きもある。東は、患者に内在する複数の人格が記憶を「部分的に」共有している事実に着目し、YU-NOとの関連を論じる。

YU-NOの主人公は、なんの前触れもなく失踪した父を探し出すため、ある装置を使って無数に並列する現代を渡り歩く。彼の記憶は世界を移動するたびに失われるが、行動は連続している(つまり正確には、記憶を「部分的に」失っている)。父との再会に必要な「宝玉」と呼ばれるアイテムをすべて集めることに成功すると、並列世界の旅は終わり、物語の舞台は古代の西洋を連想させる異世界に移る。父の失踪を「大きな物語の凋落」(ポストモダンの始まり)に見立てるなら、並列世界の旅は人格の分裂、「宝玉」の収集は人格の統合に相当する。大きな物語が日本から失われた結果、我々は虚構の世界に依拠して生きることを余儀なくされているが、YU-NOの主人公も、大きな物語(父)を捜し求める旅路の果てに架空の世界(異世界)にたどり着く。YU-NOの物語は、言うなればポストモダンの寓話なのだった。

シミュラークルへの欲求とデータベースへの欲求を同時に満たすシステムを作り上げ、シナリオの面では「大きな物語の凋落」や解離性同一性障害を描いたYU-NOを、東は「きわめて周到な作品」と評し、さらには、YU-NOに代表されるオタク向けだが優れた作品を自由に批評し合える時代を作るために「本書は書かれている」と述べ筆を置く。

PC98版の評価

前評判

菅野ひろゆき(当時のペンネーム剣乃ゆきひろ)がデザインを手掛けたYU-NOの広告は、アダルトゲームの話題を扱う各誌に波紋を広げた。本編のメインヒロインであるユーノが広大な宇宙を背景に眠る姿は非常に印象的であり、製作の発表に先立って掲載されたにも関わらず、読者の注目を一身に集めたのだ。また、「DESIRE」や「EVE burst error」のヒットで知られる剣乃ゆきひろが、業界の最大手エルフの資本を背景に送り出す作品ということもあって、各誌はYU-NOを大々的に取り上げた。

「あまりにも暗示的な広告でファンの注目を一気に集めているのが、このYU-NOだ」(電撃王 1996年11月号)

「エルフが今秋に放つ、期待の新作がついに姿を現す」(コンプティーク 1996年11月号)

「長めのタイトル、インパクトの強いイメージ広告、エルフというブランドの相乗効果で前評判が高い新作」(E-Login 1996年12月号)

本作の目玉であるA.D.M.Sにも注目はもちろん集まり、「アドベンチャーゲームの常識を覆す」「画期的」システムと評される。電撃王1997年1月号(1996年12月7日発売)は、「年末年始に発売されるベストゲームはこれだ」と称して、YU-NOの名を巻頭に挙げている。また、同誌が読者アンケートを元に作成した「読者の欲しいソフト」ランキングでは、1997年2月号・3月号で1位を獲得している。

売り上げ

デジタルメディアインサイダーの集計によると、1997年11月30日までに4万5844本(CD版-3万0553本/3.5FD版-1万5291本)のセールスを記録している。同誌の1997年の年間ランキングでは、CD版が14位となっている。(ちなみに1位は「SHOCK PRICE 500 麻雀」で7万7102本、アダルトゲーム最多は3位の「鬼畜王ランス」で7万2572本となっている)

もっとも、エルフが行っていた通信販売は集計の対象外であるから、実際の売り上げを反映しているとは考えにくい。事実、コンプティーク1997年3月号(1997年2月8日発売)は、YU-NOを紹介する際、「早くも10万本の大台へ手が届くと噂されている超話題作」と述べている。各店舗の売り上げに通販の売り上げを加えると、10万本に近い数値になるのだろう。

ユーザーの評価

この作品は、売り上げばかりではなくその内容にも高い評価が与えられた。

例えば、電撃王の「第2回 電撃王ゲームソフト大賞」(1997年5月号)では、読者投票の平均点が最も高い作品に与えられるヒートアップ賞を受賞しており、E-Loginの「ゲーム & ヒロイン of the year 1996」(1997年6月号)のゲーム部門で9位(1位は「同窓会」)、コンプティークの「第1回コンプティーク・ソフト大賞」(1998年2月号)で5位(1位は「To Heart」)を記録するなど、ファンから高評価を得ている。

セガサターン版の評価

前評判

PC98版の移植か決まると、コンシューマーゲームを扱う各誌はこれを大々的に報じた。

「壮大なストーリー、独特の世界観、斬新なシステムが多大な評価を得た『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がついに移植決定」(セガサターンマガジン VOL.22、1997年6月20日発売)

「昨年末、パソコンユーザーの間に鮮烈な感動を巻き起こした作品『この世の果てで恋を歌う少女YU-NO』 この話題作をどこよりも早く大紹介」(電撃セガサターン VOL.1、1997年6月20日発売)

「パソコンで発売され、練り込まれたシナリオや美しいグラフィックなどでヒットした『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』のサターン版の情報をいよいよ公開」(ファミ通 No.454、1997年8月8日発売)

セガサターンマガジンはYU-NOの初報に誌面を4ページ割いた。電撃セガサターンにいたっては、創刊号の巻頭を6ページも割いている。移植の決定がこれだけ大きな反響を呼んだのは、家庭用ゲーム機のユーザーから見てもA.D.M.Sが斬新だったこと、および以下に述べる事情による。

  • 時勢
当時は美少女ゲームの全盛期だった。1995年に発売されたプレイステーション(PS)版「ときめきメモリアル」(コナミ)のヒットにより、従来は決して目立たない存在だった美少女ゲームに注目が集まり、類似の作品が多く作られた。96年から98年にかけては20万本を超えるセールスもめずらしくなかったが、美少女ゲーム市場はやがて縮小に向かうため、この時期の好況をバブルと表現することがある。YU-NOの移植が発表されたのは97年6月、バブルの真っ只中である。
  • エルフ
発売元がエルフだったことも大きい。同級生のヒットにより、アダルトゲーム市場の最大手に成長した同社は、「野々村病院の人々」や「下級生」を引っさげてセガサターン市場に参入。「野々村病院の人々」(1996年11月29日発売)は32万7310本、「下級生」(1997年4月25日発売)は25万3495本のセールスを記録した。10万本にも達しないソフトが無数に存在することを考えると、大成功と言えよう。ゆえに、次の作品(YU-NO)も自然と世間の関心を集めることになる。
移植の発表に先立つ1997年1月24日、「EVE burst error」のSS版が発売される。同作のオリジナルは、菅野ひろゆきシーズウェアに在籍していた時に手がけたPC98版(1995年11月22日発売)である。PC98版のシナリオとシステムを忠実に再現したSS版は、セガサターンマガジンの読者レース(詳細は後述)で一位を獲得するなど、非常に高い評価を得た。菅野ひろゆきがエルフに移籍したのは96年のことだから、移植にはもちろん関与していないが、SS版EVEの成功を機に、彼の名はコンシューマーゲーム市場にも轟くことになる。YU-NOの移植を歓迎する動きの背景には、菅野ひろゆきへの期待が多分に存在したのである。

これらの事情から、YU-NOに対するユーザーの期待は日増しに膨らんだ。各誌がアンケート葉書をもとに作成する「期待の新作TOP30」(ファミ通、セガサターンマガジン)、「前評判TOP15」(電撃セガサターン)を見ると、毎号、上位に食い込んでいることがわかる。セガサターンマガジンと電撃セガサターンは、セガサターンのソフトのみを扱うため、総合誌のファミ通よりも順位が高くなる傾向にある。

最後に、発売の直前に掲載された各誌のレビュー(批評)を紹介しよう。ファミ通とセガサターンマガジンの場合は、編集者が10点満点で各作品を採点する。他方、電撃セガサターンは批評のみとなっている。YU-NOのレビューを読み比べると、セガサターンマガジンと電撃セガサターンが高い評価を下していることに気付く。理由を以下に述べる。

プレイステーションNINTENDO64と違い、セガサターンは性的な描写の規制が緩いことから、アダルトゲームが数多く移植された。代表的な例が先述の「野々村病院の人々」と「下級生」である。両者のセールスはいずれも20万本を超えている。美少女ゲームは、まぎれもなくセガサターンの柱のひとつだった。よって、同機を専門に扱う両誌は、美少女ゲームの愛好家を多く抱えていた。レビューは彼らと同じ価値観、感性のもとに行われることになる。

他方、ファミ通はプレイステーション、セガサターン、NINTENDO64の情報を均等に取り上げるため、読者の嗜好に偏りがない。性的な描写を露骨に含む作品を高く評価することはためらわれたのである。

  • ファミ通 No.469(1997年11月28日発売)
計27点を獲得。内訳は、サワディ・ノダ(8点)、水ピン(7点)、イザベラ永野(7点)、ローリング内沢(5点)。「一筋縄ではいかない複雑なシナリオ」(サワディ・ノダ)「過去に戻って違う道を選択し、いろいろな話を体験する。それがおもしろい」(水ピン)
  • セガサターンマガジン vol.43(1997年11月28日発売)
計27点を獲得。内訳は、加島(9点)、明石家サンマン(9点)、かなめ(9点)。「遊ぶ楽しみと読む楽しみが融合した秀逸作」(明石家サンマン)「自分が18歳以上でよかったと、本気で思える作品」(かなめ)
  • 電撃セガサターン vol.11(1997年11月28日発売)
採点はなし。「精巧かつ緻密に構成された感動的なシナリオ」(田中S)「極上のAVG(アドベンチャーゲーム)」(シルキー麻里菜)

シナリオとシステムが高い評価を得ていることがわかる。魅力的なヒロインを描くことのみに重点を置き、ゲーム性をおろそかにしがちな美少女ゲームは、時に「紙芝居」「デジタルコミック」と揶揄されるが、YU-NOは一般のゲームと比較しても遜色のない完成度を持っていると判断されたのである。

もっとも、担当者が最後までプレイしたという保障がないため、彼らの批評を全面的に信頼するわけにはいかない。各誌の評価を分析する際は、この点に留意されたい。

売り上げ

各誌の集計を以下に示す。集計の方法や期間が雑誌によって異なるため、数値にばらつきが生じている。しかし、実際にはそれほど差がないと見られる。「下級生」を例にとって説明しよう。SS版「下級生」のセールスは、ファミ通によると25万3495本、セガサターンマガジンによると27万8042本である。従って、YU-NOの売り上げはファミ通の集計においても20万本を越えていると考えて差しつかえないはずである。1997年のコンシューマーゲーム市場で20万本を超えるセールスを記録したソフトは59本しかないから、健闘と言えよう。参考サイト1参考サイト2

ユーザーの評価

各誌が行った読者アンケートの結果を以下に示す。PC98版と同様、高い評価を得ていることがわかる。また、「サクラ大戦」や「下級生」、「EVE burst error」といった作品も上位に顔を見せている。20万本を超えるセールスがめずらしくなかったことを根拠に、この時期(1996年~1998年)は美少女ゲームの全盛期にあたると先に述べたが、バブルの影響は読者アンケートにも現れていたのである。

  • セガサターンマガジン
  • SEGASATURN MAGAZINE GRAND PRIX 1997(サタマガグランプリ)
読者の投票により、最も優れたセガサターン用ソフトを選出しようという企画。対象となるのは、96年12月1日~97年12月18日に発売された389タイトル。22の部門賞が設けられている。1998年1月2日号(1997年12月19日発売)にて告知される。締め切りは1998年1月23日(当日消印有効)。本誌に付属の投票用紙(各部門に一票ずつ投じる)を官製葉書に張り、編集部に送付する。有効票は18,596票。YU-NOが受賞した部門は以下のとおり。詳細は参考サイトを参照。
部門順位得票数概要備考
最優秀作品賞5位840票最も優れた作品に贈られる。
サタマガグランプリ最高の賞
1位はグランディア
最優秀シナリオ作品賞3位1895票シナリオや世界観が優れた作品に贈られる-
最優秀グラフィック作品賞9位461票グラフィックが優れた作品に贈られる-
最優秀移植作品賞4位956票他の機種から移植された作品のうち、
移植性やアレンジが優れていたものに贈られる
-
最優秀パッケージアート賞4位1174票パッケージのデザインが優れた作品に贈られる-
アドベンチャー作品賞3位2950票ノミネート作品は44本-
最優秀主演男優賞6位741票読者の支持を集めた
男性キャラ(主役格)に贈られる
有馬たくやが受賞
最優秀主演女優賞6位758票読者の支持を集めた
女性キャラ(主役格)に贈られる
ユーノが受賞
  • 読者レース
セガサターンのソフトを読者が10点満点で採点するコーナー。セガサターンマガジンの創刊と共に始まる。各ゲームの平均点(オッズ)は、投票者が10名を越えた時点で公開される。1999年7月23日増刊号(1999年7月9日発売)をもって打ち切り。全145回。しかしながら、投票の受け付け自体は99年末まで続いた。Race145(すなわち1999年7月23日増刊号)の結果にこれらの数値を加えたデータは、のちに最終オッズとして発表される。従って、Race145のオッズと最終オッズは必ずしも一致しない。YU-NOの最終オッズは、以下に見るとおり9.4782(4位)である。セガサターン用ソフトは2000年3月31日現在、1156本も発売されているから、この結果は賞賛に値するだろう。なお、最高オッズは9.7273、最低オッズは9.4590だった。
最終オッズ
順位タイトルオッズ
1位EVE burst error9.5014
2位グランディア9.4847
3位ラングリッサーV The End of Legend9.4844
4位この世の果てで恋を唄う少女YU-NO9.4782
5位街 ~運命の交差点~9.4743
6位Piaキャロットへようこそ!!29.4725
7位サクラ大戦29.4632
8位リンダキューブ 完全版9.4630
9位CULDCEPT9.4545
10位デビルサマナー ソウルハッカーズ9.4547
1位を獲得した回数
順位タイトル回数
1位サクラ大戦221回
2位サクラ大戦16回
3位この世の果てで恋を唄う少女YU-NO15回
4位バーチャファイター213回
5位バーチャファイター12回
『サターンのゲームは世界いちぃぃぃ!』をもとに作成。9位と10位の数値が逆転しているが、誤植と見られる。
  • 電撃王
  • 第3回 電撃王ゲームソフト大賞
国内で発売されたゲームソフトに対する評価を読者から広く募り、優秀な作品を表彰しようという企画。1998年3月号の誌面にて告知される。対象となるのは、1997年1月1日から12月31日の間に発売されたソフト。読者は好きなゲームソフトのタイトルを五つ挙げ、それぞれ100点満点で評価する。機種は問わない。最も多くの票を得た作品に贈られるのが「トレンド賞」、得票数が20を超え、なおかつ平均点が最も高い作品に贈られるのが「ヒートアップ賞」である。無作為に選ばれた2000通の葉書が集計の対象になる。締め切りは98年3月8日。結果の発表は、1998年5月号(1998年4月8日発売)の誌面にて行われた。有効票は8536票(2000×5 - 無効票)。
トレンド賞
順位タイトル機種得票
1位ファイナルファンタジーVIIPS819
2位グランディアSS321
3位テイルズ オブ デスティニーPS319
4位スーパーロボット大戦FSS309
5位ファイナルファンタジータクティクスPS252
6位グランツーリスモPS248
7位デビルサマナー ソウルハッカーズSS239
8位下級生SS223
9位EVE burst errorSS209
10位この世の果てで恋を唄う少女YU-NOSS207
ヒートアップ賞
順位タイトル機種得点
1位To HeartWin9592.86
2位アリスの館4・5・6Win9592.56
3位デビルサマナー ソウルハッカーズSS90.55
4位ファイナルファンタジーVIIPS90.54
5位悠久幻想曲PS90.35
6位この世の果てで恋を唄う少女YU-NOSS90.10
7位悠久幻想曲SS89.85
8位EVE burst errorSS89.48
9位グランツーリスモPS89.14
10位Jリーグプロサッカークラブをつくろう!2SS89.11
PS-プレイステーション SS-セガサターン Win95-Windows95

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  • この世の果てで恋を唄う少女YU-NO SUPER SOUND TRACK
  • この世の果てで恋を唄う少女YU-NO オリジナル・サウンド&ボイスコレクション
  • テレホンカード
  • エルフ大人の缶詰

漫画版

執筆中

小説版

執筆中

  • 神代創 『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO I.美月』 発行所:ケイエスエス 初版発行:1998年1月27日 ISBN 4-87709-191-2
  • 神代創 『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO II.神奈』 発行所:ケイエスエス 初版発行:1998年4月2日 ISBN 4-87709-205-6
  • 神代創 『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO III.セーレス』 発行所:ケイエスエス 初版発行:1998年7月30日 ISBN 4-87709-245-5
  • 神代創 『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO IV.ユーノ』 発行所:ケイエスエス 初版発行:1998年12月3日 ISBN 4-87709-281-1

OVA版『YU-NO』

  • 『第1幕 誘惑する事象たち』
  • 『第2幕 不連続体のコンチェルト』
  • 『第3幕 分岐点のシンデレラ』
  • 『第4幕 世界の果てで女神は唄う』

全4話という限定的な話数の都合上、世界観に関する解説が極めて淡白であり、原作であるゲーム版を未体験の場合、理解は非常に困難。基本設定は原作を踏襲しつつ、細部の展開に差異が見受けられる。並列世界についての新解釈や原作の補完的要素は特に存在しない。

一人称である原作と異なり、主人公不在の場面が多々見られ、その傾向は性的描写についても同様(女性キャラ同士のレズプレイが特徴的)。シナリオそのものよりも、各キャラの新たな側面や性的描写に重きを置いている向きが強い。

各々の登場人物は、設定の簡略化や変更、或いは登場場面の総削除が施されている。上述通り、シナリオ自体に大異は無い為、キャラの変更点を順に詳述する事によって、ゲーム版とOVA版との相違を明確にする。

詳しくは#登場人物の一覧を参照。

OVAの設定について書かれていないその他のキャラクターは、OVA版では存在そのものが描かれない。特徴としては、現代編のキャラの多くを異世界編にも登場させ、異世界編専用キャラの代役を演じさせ、登場人物数を絞った由が挙げられる。また、現代編男性キャラは半数以上が未登場(登場するのはたくやと豊富のみ)。全体的に現代編女性キャラの出番が増加している。

製作スタッフ

PC98版

  • 企画・脚本・ゲームデザイン
剣乃ゆきひろ
  • 原画・キャラクターデザイン
長岡康史
  • メインプログラム
森岡忠明
  • 音楽・サウンドエフェクト
島田竜
  • CG監修
下田篤、鍋島信彦
  • グラフィック
鍋島信彦、西沢謙志、奈良泰之
相沢健一、野間明、井上順一
高橋將喜、折笠方紀、木村隆夫
松下剛、多田弘、宮原稔
泉英孝、山嵜亮
  • 背景
下田篤、小林勝寿
  • 広告・パッケージデザイン
菅野洋之(剣乃ゆきひろの本名)
  • セルワーク
中山久美子
  • スペシャルサンクス
酒見義敬、浅川正一、横田茂
北川正雄、小宮山峰史、都原一雄
菅宗光、原川遼太郎、川那部恭
中澤隆雄、佐藤郁雄、福田紀久夫
甲斐日富美、寺沢富美子、若林かおる
柿沢稔、黒沢悦子、浦野千乃
佐川文子、江目誠、橋本江利子
玉水香織、福永由美、吉田直哉
清水史也、長井理、田島直

セガサターン版

  • 企画・脚本・ゲームデザイン
剣乃ゆきひろ
  • キャラクターデザイン
長岡康史
  • 音楽作曲
島田竜、高見龍、神奈江紀宏
  • 音楽監督
神奈江紀宏
  • オリジナルプログラム
森岡忠明
  • 移植プログラム
長井理、関夏生
  • プログラム技術協力
山崎岳志
  • 背景
小林勝寿
  • CG監修
下田篤、鍋島信彦
  • CGデザイン
鍋島信彦、川那部恭、西沢謙志
相沢健一、折笠方紀、野間明
多田弘、木村隆夫、山嵜亮
松下剛、宮原稔、奈良達人
鈴木正和、森林雅彦、大木忍
木村浩孝、小倉陽子、山口主税
大見幸義、津田優樹
  • スペシャルサンクス
横田茂、箕浦健二、北川正雄
津川正一、立蔵政樹、菅宗光
中澤隆雄、矢吹健顕、山下剛之
松川紀雄、福田紀久夫、甲斐日富美
寺沢富美子、柿沢稔、藤島いづみ
黒沢悦子、浦野千乃、佐川文子
江目誠、小野友紀子、玉水香織
福永由美、早川雅代、清水史也
金平修、鈴木康由、横須武
藤波正樹、成田篤史、斉藤陽子
与猶啓至、田島直

参考文献

  • 雑誌
  • 書籍
  • 『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO 完全ガイド』 発行所:辰巳出版 初版発行:1997年5月15日 ISBN 4-88641-197-5
  • 『エクソダスギルティー ワールドガイダンス(EXODUS Guilty World Guidance)』 発行所:ソフトバンク パブリッシング 初版発行:1999年4月30日 ISBN 4-7973-0842-7
  • 『サターンのゲームは世界いちぃぃぃ! ~サタマガ読者レース全記録~』 発行所:ソフトバンク パブリッシング 初版発行:2000年4月10日 ISBN 4-7973-1173-8
  • 『パソコン美少女ゲーム歴史大全 1982-2000』 発行所:ぶんか社 初版発行:2000年10月10日 ISBN 4-8211-0717-1
  • 東浩紀『動物化するポストモダン オタクから見た日本社会』 発行所:講談社 初版発行:2001年11月20日 ISBN 4-06-149575-5
  • 『ファウスト 2004 MAR Vol.2』 発行所:講談社 初版発行:2004年3月19日 ISBN 4-06-179554-6

外部リンク