先行ネット

提供: Yourpedia
2019年6月22日 (土) 12:27時点におけるあけぼろ次郎 (トーク | 投稿記録)による版 (ページの作成:「{{出典の明記|date=2011年4月}} '''先行ネット'''(せんこうネット)とは、番組を系列のネット局が制作局より早い時間に放送する...」)

(差分) ←前の版 | 最新版 (差分) | 次の版→ (差分)
移動: 案内検索

先行ネット(せんこうネット)とは、番組を系列のネット局が制作局より早い時間に放送する現象を言い、裏送り放送の一種である。

概要

現在では、地方局が在京キー局より先に新作の番組を放送することは皆無からごく少数であるが、かつてはキー局より早い時間にネットするケースも見受けられた。特にクロスネット局や非マストバイ局が多かった時代には、遅れネットとともに各地で見受けられた。

遅れネット、同時ネットとの差異

A局(制作局)が放送したt秒後にB局(制作局ではない局)が放映する場合、0<tの場合は遅れネット、0=t[1]の場合は同時ネットであり、t<0の場合は先行ネットとなる。しかし、遅れネット、同時ネットとは異なり(タイムマシンが発明されていないから)先行ネットの場合は、

  • A局がB局に放送に必要なデータを発信してから、
  • B局が放送をし、
  • そのあとでA局が放送をする

という手順を踏まければならない。つまり、A局は「B局に対して」「視聴者に対して」1回ずつ、少なくとも2回同じデータを局外に発信することになる。

理由

先行ネットが生じる理由としては、次のようなケースがある。

  • 番組編成の都合
    • キー局がその番組を放送する時間帯に、ローカル局の自社制作の番組や他系列の番組を放送する場合は、遅れネットになることが多いが、日程の都合がつかない場合は先行ネットになることがある。また番組販売扱いの番組でも、同様の理由により先行ネットとなる場合がある。
    • キー局以外の局(主に準キー局)が制作局であるかつネットワークセールス枠である番組について、制作局でキー局の編成の都合によって臨時枠移動の体を取らざるをえなくなった場合、通常時の同時ネット局の各局でこれに追従不能となることから、本来の放送時間に先行裏送りネットとせざるを得ないケースがある。
  • 制作局の放送休止や放送時間変更
    • 制作局での放送がスポーツ中継特別番組により臨時枠移動になった場合でも、系列局では本来の放送時間に予定通り放送した場合は先行ネットとなる。過去には、キー局制作番組で、キー局での放送が臨時枠移動となったにもかかわらず、遅れネットの系列局では普段の放送時間に放送されたため、結果的に遅れネットのローカル局が先行してネットしたケースもあった。

実例

  • 先行ネットが特に多いケースとして、ゴールデンタイムにおける準キー局制作のネットワークセールス枠番組において、準キー局が当該時間帯に関西ローカルで自社制作のプロ野球阪神戦中継を放送するが、制作局以外の全ネット局では本来の日時に放送するケースがある。さらに朝日放送テレビでは全国高等学校野球選手権大会(夏の高校野球)を完全中継(全国高校野球選手権大会中継、18時以降など例外あり)しているが、日程上日曜日の第1試合が8時開始になることがあり、そのときは通常放送の番組を別の日に延期して(自社制作番組については制作局である自社に限り臨時枠移動とし、ネット局各局で先行裏送りネットとして)高校野球中継を放送する。このとき、朝日放送テレビ以外の全ネット局では通常通りに朝日放送テレビ制作日曜朝8時30分枠のアニメ(現在はプリキュアシリーズ)ネットするために先行ネットとなる。朝日放送テレビで延期された話の調整は大会終了後に行われるので、大会期間中に日曜日の8時30分から放送ができるときであっても延期された話があるときは朝日放送テレビでは臨時枠移動となった回を放送するも、朝日放送テレビ以外の全ネット局は先行裏送りネットとするために先行ネットが継続される。
  • FNSの日』における『サザエさん』スペシャルでは、FNSフルネット各局では生放送の進行により予定の18:30開始から前後するが、「FNSの日」を放送しないテレビ大分では通常枠にて18:30から放送する。このためフルネット局で遅れた場合はテレビ大分が僅かに先行しての放送となる。
  • また前述のようにフルネット局が現在より少なかった時代には地方局による先行ネットも見受けられたが、実例としてはテレビ長崎鹿児島テレビでフジテレビ系列のクイズグランプリスター千一夜の水曜日放送分と『うる星やつら』および『めぞん一刻』を30分前倒しして放送したケースがある。『クイズグランプリ』は19:30 - 19:45(JST)、『スター千一夜』は19:45 - 20:00(JST)、『うる星やつら』および『めぞん一刻』は水曜19:30 - 20:00(JST)の放送であったが、放送当時FNNNNNのクロスネットだったテレビ長崎と鹿児島テレビは、水曜日19:30以降は日本テレビ系列の番組(『東芝ファミリーホール特ダネ登場!?』等)を同時ネットしていたため、30分早い19:00 - 19:30(JST)に放送していた。
  • 山形テレビネットチェンジフジテレビ系列からテレビ朝日系列への移行)の際に、東海テレビ昼ドラマの『正しい結婚』の1993年4月1日放送分と4月2日放送分(最終回)を1993年3月31日に2話分まとめて制作局およびキー局より先行ネットしていたことがあった。ちなみに、山形テレビでは、1993年3月31日の14:00-14:30に同年4月1日放送分を、1993年3月31日の14:30-15:00に同年4月2日放送分(最終回)を、それぞれ先行して放映していた。
  • 他に福井放送四国放送南海放送で日本テレビ系列の『ほんものは誰だ?!』→『推理クイズ・私がほんもの!』→『なぜなぜダイヤル!?』→『勝抜きドンドン歌合戦』→『おもしろ博士クイズ』→『おもしろクイズBOX』の途中までを30分前倒しして放送した。前述の番組は月曜19:30 - 20:00(JST)の放送であったが、3局は放送当時TBS系の番組(『ブラザー劇場』→『ブラザーファミリーアワー』)を同時ネットしていたため、30分早い19:00 - 19:30(JST)に放送していた。
  • バラエティ番組においても数は少ないものの実例がある。一例として、かつて読売テレビで制作されていたバラエティ番組『鶴瓶・上岡パペポTV』の最終回(1998年3月)において、時差ネットとしてネット受けしていた日本テレビが、読売テレビでの最終回放送(1998年4月1日〈3月31日深夜〉)の5日前(1998年3月28日〈27日深夜〉)に先行放送を行った。これは、日程上の都合によるものである。
    • 具体的に記すと、1997年度下期の時点で、制作局の読売テレビでは水曜未明の放送であったが、キー局の日本テレビでは土曜未明に遅れネットしていた。しかし読売テレビでの最終回放送日から計算すると、日本テレビでの放送が4月4日(3日深夜)になってしまい、1998年4月改編での新番組とぶつかってしまうことから、日本テレビ編成が読売テレビ側と協議し、日本テレビでは最終回前週の放送(読売テレビでの1998年3月25日放送分)を臨時非ネットとする代わりに、その時間帯に最終回の放送を先行して行うことにより、体裁を整えることができたというものである。
  • かつて日本テレビが制作するJリーグ東京ヴェルディ1969戦におけるコンサドーレ札幌ベガルタ仙台などとの対戦では、アウェー側系列局(札幌テレビミヤギテレビなど)との2局ネットを実施していたが、日本テレビは試合翌日未明に録画放送だったのに対し、アウェー側は生中継をしていたため、先行放送となったケースが幾度かあった。
  • 2013年5月19日放送の『シルシルミシルさんデー』は、制作局であるテレビ朝日が『スーパーベースボール北海道日本ハム巨人」』を北海道テレビとの2局ネットで生中継したため、他のテレビ朝日系列22局では先行放送となった。(テレビ朝日は「スペシャルサタデー・第3部1・シルシルミシルSP」として5月25日15:25 - 16:28に放送。北海道テレビは編成の都合により同日13:55 - 14:55に先行放送)
  • 2014年4月9日放送のトークバラエティ番組『ライオンのごきげんよう』において、制作局であるフジテレビ及びフジテレビ系列27局はFNN緊急特報を急遽放送したため放送時間を変更したが、通常、遅れネットとなっている系列外ネット局山梨放送四国放送は通常時刻での放送開始となったため、結果的に系列外ネットの2局は先行放送となった(フジテレビ及び系列局27局は翌10日0:50から放送。)
  • 2016年4月16日開始の土曜ドラマお迎えデス。』は『NNN報道特番・熊本など余震続く 大雨警戒』に差し替えたが、通常遅れネットとなっている系列局の福井放送と系列外ネット局の沖縄テレビは予定通りの期日での放送開始となったため、2局は先行放送となった。(日本テレビ及び系列局は23日開始に変更[2]。)

脚注

  1. 光速は有限であるから厳密には零にならないが、零とみなせるほど小さい
  2. ドラマ「お迎えデス。」初回放送を延期 デイリースポーツ 2016年4月16日発行。

関連項目