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2020年1月16日 (木) 11:09時点における最新版

Flag of Japan.svg日本の統治機構
日本国憲法
天皇
立法 行政 司法
国会
衆議院
参議院
内閣
内閣総理大臣
国務大臣
 ・行政機関
裁判所
日本の裁判所
最高裁判所
下級裁判所
地方自治
地方公共団体
地方議会
 
首長
国民主権者
日本の選挙 日本の政党

国会(こっかい)は、日本立法府である。

概要[編集]

日本国憲法において、国会は「国権の最高機関」であって、「国の唯一の立法機関」と位置づけられている(41条)。また、国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成し(同42条)、両議院は「全国民を代表する選挙された議員」(国会議員衆議院議員及び参議院議員。)でこれを組織すると定める(同43条1項)。

国会の議事が行われる国会議事堂の所在地は、東京都千代田区永田町1丁目7番1号。俗に国会ないし国会議員を指して永田町と呼ぶ。

沿革[編集]

前史[編集]

帝国議会時代[編集]

国会時代[編集]

構成と組織[編集]

国会は、衆議院参議院によって構成される。両議院とも、主権者である国民選挙によって選ばれた国会議員(衆議院議員480人、参議院議員242人)により組織される、民選議院型の両院制である(衆議院は下院、参議院は上院に相当する)。

両議院を補佐する機関として、各議院に事務局法制局が置かれ、また議院に直属しない補佐機関として国立国会図書館がある。このほか、日本国憲法に定める国会による裁判官弾劾を行うため、裁判官訴追委員会裁判官弾劾裁判所が置かれている。

運営[編集]

会期[編集]

国会は、会期の間だけ活動する。ただし委員会は、閉会前に手続きを取ることにより、閉会中も審査を行うことができる。

常会(通常国会)
毎年1回、1月中に召集。会期150日(延長は1回のみ可能)。
臨時会(臨時国会)
必要に応じて内閣召集を決定。いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、召集を決定しなくてはならない。会期は両議院一致の議決で定める(延長は2回まで可能)。
特別会(特別国会)
衆議院解散による総選挙の後に召集。会期日数の決定方法は臨時会に同じ(延長は2回まで可能)。
緊急集会
衆議院が解散された場合、参議院も同時に閉会となる(両院同時活動の原則)。この衆議院解散から特別会の開会までの閉会中、「国に緊急の必要があるとき」に、内閣は参議院の緊急集会の開催を求めることができる。参議院の緊急集会は国会ではなく、緊急集会において採られた措置は「臨時のもの」とされる。このため、緊急集会で執られた措置は、次の国会開会の後10日以内に衆議院の同意が求められ、同意がない場合には、その効力を将来に向かって失う。

委員会[編集]

帝国議会時代の議案審議が本会議中心であったのに対して、戦後国会はアメリカ連邦議会に範をとって国会審議は、委員会を中心に行われている。

各議院の委員会には、常設の常任委員会と、案件ごとに各議院が必要に応じて設けることが可能な特別委員会の2種類がある。

なお、委員会は複数の委員会による連合審査会の開催や衆参両院による合同審査会の開催も可能である、

また、具体的な議案の付託を待たずに、じっくりとした調査を行うため「調査会」が幾つか設けられている。

  • 常任委員会の例 - 予算委員会
  • 特別委員会の例 - イラク人道復興支援活動等及び武力攻撃事態等への対処に関する特別委員会(参議院)
  • 参議院の調査会の例 - 共生社会に関する調査会

常任委員会[編集]

両院協議会[編集]

衆参で議決が不一致の場合には、衆参で議決の調整を行うため、両院協議会が行われる。予算案、条約、内閣総理大臣の指名について議決が異なった場合には、必ず行われる。しかし、法律案について議決が異なった場合には、衆議院が開催に同意した場合のみ行われる。

憲法審査会[編集]

第167回国会から、衆参両院に日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制について広範かつ総合的に調査を行い、憲法改正原案、日本国憲法に係る改正の発議又は国民投票に関する法律案等を審査するため、各議院に憲法審査会を設けられる。ただし、憲法改正原案についての審議は2010年5月18日以降可能となる。しかし、現実には衆参両院とも共産党や社民党などにより第167回国会での憲法審査会規程の制定を見送ったことから、当面休眠状態が続く見通しである。

国民投票広報協議会[編集]

憲法改正の発議があつたときは、当該発議に係る憲法改正案の国民に対する広報に関する事務を行うため、国会に、各議院においてその議員の中から選任された同数の委員で組織する国民投票広報協議会を設けられる臨時の機関。現在まで、設置例はない。

政治倫理審査会[編集]

政治倫理の確立のため、各議院に政治倫理審査会を設けられており、行為規範等に違反するとされる場合に法的拘束力のない勧告を行う機関。審査例は存在するが、実際に勧告まで至った実例は無い。『政倫審』と略されて報道されることが多い。

議事手続[編集]

  • 方法
    • 定足数(審議・議決に必要な出席者数)
      • 本会議 - 憲法第56条1項により、両議院とも、総議員の3分の1以上。
      • 委員会 - 国会法49条により、委員の半数以上。
    • 表決数(意思決定に必要な賛成表決数)
  • 公開の原則・記録の公表
    • 本会議(憲法第57条
      • 両議院の会議は、公開とする。但し、出席議員の3分の2以上の多数で議決したときは、秘密会を開くことができる。
      • 両議院は、各々その会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に秘密を要すると認められるもの以外は、これを公表し、且つ一般に頒布しなければならない。
      • 出席議員の5分の1以上の要求があれば、各議員の表決は、これを会議録に記載しなければならない。
    • 委員会は原則非公開。議員のみが傍聴可能。但し、報道関係者などで委員長の許可を受けた者は傍聴可能。(国会法52条)

権限[編集]

ファイル:Japanese diet inside.jpg
国会議事堂内部(参議院)

立法[編集]

国の唯一の立法機関であるため、憲法上の人権に関する条文などで見られる「法律の定めるところにより」「法律の定める手続によらなければ」とある場合には、国会のみが具体的な条件・詳細な規定等を定めることができる。なお、立法府としての国会がその判断において、実施細則、具体的な基準等についての決定を行政府たる内閣等に委任することはできる。ただし、この場合でも一定の制約を付することが必要とされる。

憲法は、所定の憲法改正手続を経なければ、国会だけの判断により改正することはできないが、その憲法の範囲内において、立法をなすことができるのは国会だけであり、行政府の活動については法律に従ってなされる必要があるから、行政の活動は、当然に国会の意思に縛られることになる。日本では議院内閣制をとっていることから、通常は、国会の意思と行政府を指揮する内閣の意思とは一致する傾向にある。

裁判官は法律に拘束される(憲法第76条第3項)。憲法に違反する場合には、裁判所が違憲立法審査権を行使して当該法律の無効と判断することはあるものの、法律を制定する国会の意思は、裁判を通して日本国の全てに及ぶものといえる。

議院の自律権[編集]

議員の資格争訟の裁判権(憲法第55条)
出席議員の3分の2以上の多数による議決で議員の議席を失わせることができる。議員に就任した後に議員資格を有するか否かを判断する権限が各議院に付与されている。
役員選任権(憲法第58条第1項)
規則制定権(憲法58条2項前段)
議員に対する懲罰権(憲法58条2項後段)
院内の事項に限られ、院外については及ばない。議員を除名するには出席議員の3分の2以上の多数による賛成が必要

衆議院の優越[編集]

衆議院の優越 を参照

他の機関との関係[編集]

行政権との関係[編集]

議院内閣制
議院内閣制とは、議会と内閣が一応分立しつつ、議会の信任(特に、両院制をとる場合には、下院の信任。日本では衆議院の信任。)を内閣存立のための必要条件とする制度である。多くの場合、議会の多数派が与党を形成し、与党の中から内閣総理大臣を指名するため、議会と内閣は一体的に協働することになる。日本国憲法では、以下の諸規定により、議院内閣制を定める。
  • 内閣による行政権の行使について、国会に対し、連帯責任を負うこと(66条3項)。
  • 内閣総理大臣は、国会の議決により指名されること(67条1項前段)。
  • 内閣総理大臣は、国会議員の中から指名されること(67条1項前段)。また、国務大臣の過半数は、国会議員の中から選ばれなければならないこと(68条1項但書き)。
  • 衆議院の内閣不信任決議を定めたこと。また、内閣不信任決議を受けて、内閣が衆議院を解散しうる権限を定めたこと(第66条)。
これらの規定のうち、内閣の国会にする連帯責任に関する規定を議院内閣制の本質的要素と見る考え方は、責任本質説と呼ばれ、通説とされる。これに対して、責任規定のほか、内閣の衆議院解散権に関する規定をも議院内閣制の本質的要素と見る考え方は、均衡本質説と呼ばれる。
内閣による衆議院解散は、69条に定める場合のほか、7条3号を根拠に行われることもある(いわゆる7条解散)。この7条解散は、解散権行使の要件などが特に定められていないため、内閣(特に内閣総理大臣)が政治的理由から行使することも多い。例えば、内閣提出の重要な法律案を国会が否決したときなど、国会による内閣の不信任と同様のものと捉え、内閣が衆議院を解散して、法案可決に必要な議席獲得を目指す場合などである。
2005年(平成17年)には、内閣が提出した郵政民営化法案を参議院が否決したために、内閣は憲法7条3号に基づき衆議院を解散した(郵政解散)。この解散は、一見的外れ(衆議院を解散しても、参議院の構成は変わらない)である。しかし、参議院による否決を「国会による内閣の不信任」と捉え、法律案の再可決に必要な衆議院の議席獲得を目指した解散と解すると、他の解散と同じ理由で説明できる。
予算承認
予算の法的性質を巡っては諸説あるが、少なくとも行政に対する国会からの統制となることは疑いない。日本の憲法上は、法律制定による行政統制と見る必要は特になく、行政過程への介入による統制と見ても、国会の予算修正権等、一向に問題はない。予算否決という強権は、日本国憲法では事実上衆議院のみに認めているが、参議院の自然成立前に予算が執行される場合は、暫定予算を衆参で議決する必要がある。
条約
条約の国内法の性質を巡っても諸説あるが、これまた少なくとも行政に対する国会からの統制となることは疑いない。条約否決という強権は、憲法では事実上衆議院のみに認めている。
国政調査権
必ずしも行政機関のみに限らず、公私の諸団体・個人にも及ぶ。

司法権との関係[編集]

裁判官弾劾裁判所の設置
国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する裁判官弾劾裁判所を設ける(憲法第64条)。非行のあった裁判官を裁判官弾劾裁判所に訴追するのは、同じく国会議員で組織する裁判官訴追委員会である。裁判官弾劾裁判所と裁判官訴追委員会は、ともに国会から独立して職権を行使する。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

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