少年陰陽師の関連語句

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少年陰陽師の関連語句(しょうねんおんみょうじのかんれんごく)では、小説アニメ少年陰陽師』に登場する語句について説明する。



注意以降に核心部分が記述されています。


十二神将」関連

十二神将の理(じゅうにしんしょうのことわり)
十二神将達に課せられた、人を傷つけてはならない、殺してはならない、という理。十二神将達は神の末席に連なる者たちでありながら、人の想いの具現として人に似た姿をとるようになった。彼らはその、「神でありながら、人の子でもある」という特別な立場ゆえに与えられた、他の神々にはない枷を持つ。
枷のはずではあるが、物の怪に姿を扮した騰蛇(紅蓮)が遠慮なく敏次を蹴りつけたり、朱雀が敏次を殴りつけたり、太陰が昌浩に平手を浴びせかける寸前までいったりと、「傷つけてはならない」という境界は少々曖昧である。
闘将(とうしょう)
十二神将の中でも桁違いの通力と生命力を有する神将のこと。騰蛇、勾陣、青龍、六合がこれに該当し、「四闘将」とも呼ぶ。激情に駆られると瞳の色が金または紅に近い色になる、または瀕死の状態に陥った場合、自らの通力を開放して死を回避しようとする、などの特徴がある。また、彼ら四闘将にだけ、晴明から二つ名を与えられている。
凶将(きょうしょう)
紅蓮と勾陣がこれに該当する。特に不吉というのではないが、他の神将に比べてあまりにも神気が苛烈なために、本能をむき出しにする赤子は凶将の気配を察知すると火がついたように泣く。特に紅蓮はそれが顕著で、一度泣き出すと熱を出すまで泣き止まない。紅蓮ほどではないものの、勾陣も赤子がいるときは少なからず気を使う。
移し身(うつしみ)
天一のみが持つ能力。相手の傷や呪詛を自分の身に移し変え浄化する能力。ただし、傷が深すぎたり、呪詛があまりにも強力だったりする場合、肩代わりした天一自身が死ぬこともある。そのため、朱雀は多少の傷でも天一がこの術を行使するのをひどく嫌う。昌浩はこの術を使わせたため朱雀に平手をくらった事がある。
水鏡(みずかがみ)
水将である玄武と天后がもつ能力。空中に、水の波動によって水鏡を創生し、声と映像をやりとりすることができる。また、二人が昔見た風景や、対象物の位置を把握している場合、その場所を映し出すこともできる。
風読み(かざよみ)
風将である太陰と白虎がもつ能力。風将同士で風にこめられた意思を読み取ったり、風が伝えてくる周辺の音とその発信源を把握することができる。また、風将が風に乗せてきた意思を正確に理解できるのは同じ風将のみだが、晴明や他の神将もなんとなく理解できることがある。
風流(ふうりゅう)
風将である太陰と白虎がもつ能力。竜巻によって長距離を移動することができる。速度で言えば太陰の風流の方が早いが、安全性と着地を考えれば白虎のほうが良い。
霊布(れいふ)
六合が甲冑の上に身につけている霊布。それ自体が力を持っており、傷の痛みを和らげたり、術や妖気などを跳ね返すこともできる。六合から離れても、そう念じれば徒人に見えるようにすることも可能で、昌浩はこの布を顔に巻いて盗賊さながらの格好で敏次を助けにいったこともある。
十二神将の死(じゅうにしんしょうのし)
十二神将とて不死ではない。実体を持っている以上人と同様に傷付き、場合によっては死に至る事もある。命を落とした神将は直ぐに異界で甦るが、それまでに培った記憶も何もかも全て失い、その姿・性情も異なった形で再生される。それは人の想いが刻一刻と変化し、その想いが具現化したものが神将であるが故である。十二神将の中で唯一、天一のみが過去に落命した経験を持つ。
血濡れの咎(ちぬれのとが)
神将の理(上述)を犯す罪のこと。この咎を負っているのは、騰蛇と六合のみ。この咎を負った神将は「血濡れの神将」と呼ばれる。
二つ名(ふたつな)
若き日の晴明が、晴明自身の願いを込めて一部の神将たちに与えた名前。この名前を与えられているのは闘将のみで、騰蛇、勾陣、青龍、六合がそれぞれ紅蓮、慧斗、宵藍、彩煇という二つ名をもつ。こめられた願いはそれぞれだが、その身に宿る強大な通力に振り回されることなくおだやかであれ、という願いは共通の思い。その名前は、闘将たちの理性を繋ぎとめる最後の手段でもある。勾陣曰く「真綿の呪縛」だという。
封印の金冠
神将のなかでも紅蓮にだけ施された晴明の封印。五十年前の事件をきっかけにその強大な通力の大部分を封じるために、紅蓮が晴明に願ったもの。紅蓮の通力が封印の抑制力を超えると、金冠にひびが入ったり砕けたりすることがある。
危機に陥ってもはずすことはないが、必要だと判断した場合は晴明の許可、または自分の意思ではずすことができる。ちなみに、晴明の施した封印は金冠だが、昌浩が施した封印は銀冠で模様がはいっている。

「武器」関連

緋炎の槍
炎蛇を召喚できない場合に紅蓮が用いる武器。他の神将が持つ武器と違い、炎が槍の形をとったもの。青龍によれば、紅蓮が緋炎の槍を召喚している時はかなりの手加減を加えている時らしい。そのため他の神将と違い、それほど召喚することはなく本人も小回りがきかないためあまり気に入っていない様子。ちなみにこの緋炎の槍は他の神将のように天空に作ってもらったのではなく、自身の神気から生み出される為、形が変わることがあり、場合によっては槍ではなく剣にもなる。
アニメでは原作の挿絵と若干異なり、炎が形を作っているのではなく普通の槍のように実体を持っている。
筆架叉
勾陣が扱う武器。利き手ではない右手も左手同様器用に動かすことができるので、天空から二振りの筆架叉を与えられる。戦闘時には普段の二倍の長さまで伸ばすことができ、彼女の通力を受けて青白く発光する。
真鉄との剣戟によって弾き飛ばされて、もゆらを殺した凶器に使われる。
大鎌
青龍が扱う武器。紅蓮が縛魂の術によって神将の理を三度犯した際、紅蓮を殺すため天空に願い出て与えられたもの。刃渡り三尺もある三日月型の刃を持つ。アニメでは紅蓮が三度理を犯す前から自身の武器として使用。
銀槍
六合が扱う武器。普段は銀の腕輪として左腕につけているが、戦闘時には彼の意志を受けて両端に刃のある銀槍へと変化する。
大剣
朱雀が操る武器。朱雀の身の丈程もある大剣で、昌浩が屍鬼に憑依された紅蓮を討つため神将殺しの焔の剣として寄り代となったこともある。十二神将で唯一神殺しの力を持つ朱雀の神気に触れている為、それ自体に浄化の力が宿っていることも少なからず寄り代となったことに関連している。
九流の神剣
当初は真鉄が使っていた武器で、その切れ味は道反の守護妖に一撃で致命傷を与えられるほど。九流の紋章が刻まれている。真鉄が風音の宿体から離れた時に手放したため、風音が武器として使い、後に比古の元に返される。この剣に帯びる力は神聖なもので、風音はこの力を感じ取り、真鉄たちが祀る荒魂は大妖なのかと疑問を感じた。

「力及び能力、術」

見鬼(けんき)
妖などの人ならざるものを見ることができる力。見鬼の才とも言われる。見鬼の力の強い者であれば「見る」だけではなく、霊などの声をとらえることも出来る。又、当代一の見鬼と騰蛇をして言わしめた彰子は、体の奥底に取り付いた霊魂を見破り、更には完全に隠形した神将を感じる事も可能である。
離魂術(りこんじゅつ)
体と魂魄を切り離す術で、晴明にしか扱うことができない。若かりし頃の姿をとり想像を絶するほどの霊力を操ることが可能だが、傷を受けると魂に直接影響が出るので実体の時よりも脆い。陰陽道だけではなく、異形すなわち天狐の要素も含んだ術で、あまりにも行使する頻度が高いと寿命を大きく削られるうえに、生命力が著しく弱っている場合には魂の核である魂(こん)と、見てくれの体をつくっている魄(はく)が分かれることもある。
即席歩術(仮名)
昌浩が一時凌ぎや結界の補強ために織り成す簡単な結界術。建物などの周りを歩いて一周して織り成すものだが、強力でもなく長く続くものでもないので力の強い妖などには易々と突破されてしまう。恐らくは「反閇(へんぱい)」の一種と思われる。
縛魂(ばくこん)
五感を封じ込め、人を意のままに操ることの出来る術。強い力の持ち主であれば神の眷属であっても操ることが可能である。榎岦斎と風音が用いた。この術により騰蛇は晴明と昌浩に重傷を負わせ、神将の理を三度犯してしまう。晴明に及ばなかった榎岦斎も、この術だけは得意であったという。
軻遇突智の焔(かぐつちのほのお)
昌浩が屍鬼に憑依された騰蛇を討つため、高龗神より借りた神殺しの力。この焔に焼かれれば、神の魂と言えども消滅する。かつて高龗神が高天原から地上に降りる際に、父なる神(イザナキと思われる)から水の力でもって制するように言い渡された焔で、軻遇突智とはその昔他の神を殺した神の名前。現在は役目を終えたため、再び高龗神の手にある。
実際の日本神話では、軻遇突智が殺した神は軻遇突智の母イザナミである。その後、父であるイザナキに斬り殺されるが、軻遇突智は3人の雷神となって再生する。そのうちの一人が高龗神である。
蛇血の反魂術(じゃけつのはんごんじゅつ)
風音が穂積諸尚の怨霊を召還するために用いた術。死者の眠る墓にその名の通り蛇の血を注ぎ、禍歌によってよみがえらせる。ただし、術が中途半端であると他の死者たちもよみがえらせてしまうことがある。防人の魂もその一例。
瘴穴(しょうけつ)
黄泉の風が吹き荒れる穴で、黄泉に近い異空間とつながっている。妖たちがこの黄泉の風に侵されると、たとえ元は無害な雑鬼たちでも非常に危険な黄泉の化け物へと変質する。一つ穿つだけでも膨大な霊力を消費するが、黄泉路を開放するために風音が内親王脩子の心の闇を利用して複数穿つことに成功する。しかし最終的には、道反の守護妖大蜘蛛の捨て身の術によって塞がれる。
巫蠱(ふこ)
大陸に起源を持つ術で、化け物を食らってその力を取り込む。巫蠱の中でも最もおぞましい術を「起屍鬼の法」と言い、自らの体内の中で複数の死霊や化け物を共食いさせてより強い化け物とする。
怪僧丞按が藤原氏への復讐のために用いた術で、食らった化け物は羅刹。起屍鬼の材料は惨殺された一族の死霊。

「神具・呪具・法具」

彰子の匂袋
伽羅を用いて彰子自ら調合した香の匂袋で、昌浩と彰子が会って間もない頃に昌浩が彼女を異邦の妖異から救った時のお礼として、彰子が送ったのが最初。彰子が安倍邸に居候し始めてからは、時々中身が新しいものに変えられているようである。
昌浩と彰子双方の心の支えであり、退魔の香として実際に異邦の妖異を退けたこともある。ちなみに、それぞれが持っている匂袋は元は相手のもので以前に交換したもの。昌浩は「この香以外は使わない」と宣言しており、実際これしか使っていない。
降魔の剣(ごうまのつるぎ)
その昔、晴明が鍛えた剣で、帝の勅許によって鍛えた剣の兄弟分でもある。刃に徒人には見えない神呪が刻まれており、剣そのものが退魔の力を持つ。窮奇退治の折に、晴明の命で青龍が昌浩に届けるが、窮奇を倒し異界から脱出する際に紛失してしまう。その後番外編にて嶺奇を退治する際、晴明の霊力と天空の力によって一時的に復活を遂げるも一時的なものにすぎず、その為軽く長い時間の具現化はできない。しかしその力自体はもとのものとさしてかわらない。
怨呪の玉(おんじゅのぎょく)
標的を確実に呪殺できるといわれる勾玉。陰陽寮に保管されていたが、敏次に憑依した怨霊によって持ち出される。使用者の生命力を著しく奪い、さらに呪詛に失敗した場合は発動時に召喚した大量の恨鬼に使用者自身が殺されるという恐ろしい代物。昌浩が呪詛を破ったため、力を失って砕け散る。
蠱毒の太刀(こどくのたち)
風音が智鋪の宗主に操られていた頃に用いていた武器。ただの刀ではなく、神霊にも通用するよう蠱毒と密呪を埋め込んだ太刀で、神将(青龍と玄武)ですらかすったたけでも激痛に苛まれた。
神将殺しの焔の刃(しんしょうごろしのほのおのやいば)
昌浩が屍鬼に憑依された騰蛇を討つために用いた剣。昌浩でも扱えるように形を変えて小さくなった朱雀の大太刀に軻遇突智の焔が宿ったもの。役目を終えた後、焔は高龗神の元に、剣本体は朱雀の元に戻る。
道反の丸玉(ちがえしのがんぎょく)
道反にある傷を癒す湖の底において、道反大神の力をうけた出雲石で、欠けた力や霊力を補うことができる。失われた昌浩の見鬼を取り戻すために、晴明が道反の巫女に申し出た。ちなみに、一つ目は昌浩が天狐の力を開放した際に砕けてしまったため、現在昌浩が身につけているのは二つ目。珂神編でも、晴明も同じものを授かる。モデルは恐らく十種神宝だろうか。
天珠(てんしゅ)
天孤の心臓であり、命と力の源。妖異によるいかなる呪詛も浄化し、逆に妖力を増幅させる事も出来る。その為天珠を狙った九尾によって、ほとんどすべての天珠が奪われるが、最後に残った晶霞と凌濤の天珠は、晴明の延命と章子の呪詛の浄化に使われる。
また、晶霞のように、必ずしも体内にある必要はなく身に付けているだけで役目を果たす。
巫女の勾玉
道反の巫女が耳につけていた真紅の勾玉。風音が智鋪の宗主に操られていた頃に母の形見として持っていた。彼女が亡くなった後は巫女から六合に風音の形見として預けられていた。六合自身は、風音本人の望みによって勾玉に彼女の魂が込められていたことをしらなかったが、六合の危機を察知して風音が覚醒したのを見て初めてその事実を知る。現在、出雲の比古神の手で風音の魂は本体に戻っている。
八岐大蛇の呪物(やまたのおろちのじゅぶつ)
神代においてスサノオノミコトが大蛇を退治した時、一番最後に切り落とされた頭の額の鱗。大蛇の怨念が強すぎたため捨てることもできず、道反の聖域で時間をかけて浄化させるはずだったものを大蛇を崇める九流の一族によって聖域から持ち出され、大蛇の復活に利用される。
御統(みすまる)
土の性に弱い大蛇を倒すため、晴明が作り上げた首飾り。土の性をもつ道反の大神より授かった勾玉を、土将である天一の髪でつなぎ、さらに同じく土将の勾陣の力で土の力を活性化させたもの。ただし、道反大神の力を宿した御統は、力を与えてくれると同時に、身に付けたものの霊力を根こそぎ奪っていくため、さすがの紅蓮も戦闘後は昌浩も見たことがないほど疲弊していた。

「妖怪」

天狐(てんこ、あまきつね)
天狐編にて登場。
神に通じると言われる程の通力を有する妖の一族で、一般的には善狐。同族意識が強く、仲間が危機に陥った場合には、どこにいてもその声が必ず眷属の元へ届く。天狐の天珠を狙った九尾と凌濤の裏切りによって全滅するが、一族最強と謳われた晶霞だけが生き残る。その後、凌濤は晶霞に倒され、晶霞も晴明に自らの天珠を与える。晴明は天狐・晶霞の血をひいており、この血は唯一昌浩に受け継がれた。この為、二人は常人に比べ非常に高い霊力を誇るが、本来人の器に入りきる力ではないため、天狐の血が暴れだせばその血が人の魂を蝕んで、人の生が断ち切れる。
八岐大蛇(やまたのおろち)
珂神編にて登場。
神代にスサノオノミコトによって倒された大妖。八つの頭と自在に動く八つの尾を持ち、その体は鳥髪峰を覆うほど巨大。水の性を持つ蛇神で、嵐を起こし、大蛇が降らせる雨は自身の毒血。荒魂や珂神比古と呼ばれることもある。九番目の頭は、九流の一族の王である祭祀王の体に入り込み、人間の形をとって九流の一族を従える。真鉄たちによって持ち出された額の鱗と風音の血によって復活し、完全に復活するための生贄として彰子を望むものの昌浩によって阻まれる。
妖狼(ようろう)
珂神編にて登場。
八岐大蛇を崇める九流の一族に仕える妖。見た目は大きめので人語を話す事が出来る。毛並みの色々はそれぞれ。昔は相当数いたが衰退の一途をたどり、真赭、もゆら共に亡くなったため、今現在ではたゆらしかいない。

「地名」

貴船(きふね)
都の北、日本でも五指にはいる龍神高龗神を祭る貴船神社。一度、異邦の妖異に占拠され宮司ともども皆殺しにされたこともあるが、現在は通常通り。貴船の周りには、高龗神の力による強靭な結界が張られており、智鋪の宗主と窮奇の件を除いては一度も破られたことはない。本宮の近くには船の形をした船形岩があり、高龗神が人身を取る際によく座っている。
道反(ちがえし)
出雲にある聖域で、人界と黄泉の国を分かつ千引(ちびき)の岩がある場所であり、風音の故郷でもある。この岩には道反大神が宿り、黄泉の軍勢を防いでいる。聖域には他にも八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の呪物も封印されている。
人界と聖域を分ける岩は道反の巫女の、聖域と黄泉を分ける岩は道反大神の力によって守られている。また、聖域と人界では時間の流れ方が若干異なり、聖域の方が遅いようである。
本編では、『風音編』および『珂神編』の舞台となっている。
巨椋池(おぐらいけ)
都の南にある大きな池。本編では、窮奇が造り出した異空間の入り口や晴明と天狐凌壽の戦闘場所になったこともある。

「都」関連

陰陽寮(おんみょうりょう)
都の陰陽師達の仕事、および修行・勉学の場。陰陽頭(かみ)、助(すけ)などを頂点として、妖調伏や快癒祈願すなわち実力行使を主とする陰陽、星読みを主とする天文、作暦を主とする暦にわかれている。それぞれの部署の責任者は博士と呼ばれ、陰陽博士には昌浩の伯父である安倍吉平、天文博士には吉昌、暦博士には成親がついている。さらにその下には、陰陽生、天文生、歴生がいる。
なお、晴明の役職、蔵人所陰陽師は陰陽寮とは直接の関わりあいがない。
清涼殿(せいりょうでん)
内裏の中でも、帝の私生活の場。窮奇の一件で、窮奇配下の妖異(蛮々)に追い詰められた妖が仲間への警告として放った鬼火によって焼失。藤原行成が総責任者となって、再建が進められていたが、そろそろ完成する。
東三条殿(ひがしさんじょうでん)
藤原道長の本邸にして、彰子の生家。彰子が東三条殿にいた頃、彰子のいた東北対屋を中心に晴明が何重にも織り成した結界に守られていた。また、西対屋には彰子の弟である鶴が住んでいる。
土御門殿(つちみかどでん)
藤原道長の別邸で、中宮章子が病の療養などの際にここを使っている。東三条殿に比べて結界が非常に弱く、章子が土御門殿にいた時は天狐凌壽や怪僧の侵入を何度か許している。
七条の邸
正月の来客を避けるため彰子が一時的に移動した空き家で、笛竹の君と琴宮の姫の因縁が眠る邸。元は皇族の姫が所有していた邸であるが、姫が亡くなって後三十年近く人は住んでおらず雑鬼達の隠れ家となっていた。そのため人の住めるような状態ではなかったが、彰子の移動に際して昌浩達が手入れした今はかなり快適な邸となっている。
一条戻り橋
車之輔が待機している場所。式に下したもの安倍邸に入ることのできない車之輔について悩んだ昌浩に物の怪が薦めたため、車之輔は夜の散歩に出ない時や寝ている時はここにいる。
かつて人外のものをとにかく恐れた若菜のために、晴明が式を留めておいた場所でもある。

その他

五十年前の事件
結果的に騰蛇が「神将は人を傷つけてはいけない」という理を二度も犯してしまう事になった事件のこと。
50数年前、智鋪の宮司が黄泉の封印を破ろうと企んだ。その野望を阻むため、道反の守護妖に請われた晴明以下神将たちが道反に赴いた。その時同行した晴明の陰陽寮の友人・榎岦斎が宮司に唆されたために一度は封印を破られかけるが、道反の巫女の捨て身の術によって封印だけは守りきる。そして姿をくらました岦斎を晴明たちが見つけると智鋪の宮司の力を借りた岦斎は反撃。縛魂の術で騰蛇を操り、晴明に瀕死の重症を負わせる。術から解放された騰蛇は晴明の怪我に逆上して岦斎を手にかけてしまう。二度も理を犯したことにより、騰蛇はその後、同胞からも忌み嫌われ、孤独の時を過ごすことになる。
また、この時の晴明の怪我は天一が移し身の術を使い肩代わりしたが、怪我がひどく何年も動けなくなってしまった。そのためこの事件は朱雀が移し身の術を嫌がる原因にもなっている。
式文
鳥や蝶など動物の形をとらせて放ち、相手に届くと手紙にもどる陰陽師たちが用いる文。本来の意味はただそれだけであるが、本作中では晴明が昌浩に送る式文が多く、その内容は昌浩をからかった内容のものばかり。晴明が昌浩に「狸」とか「くそじじい」と呼ばれる所以のひとつ。最近は、晴明自身にも余裕がないためしばらく飛ばしていない。
一日一潰れ
大量の雑鬼が、夜警に出てきた昌浩を「孫!」といって潰すことで一日一回は潰すためにこう呼ばれる。何度も潰されているにも関わらず昌浩が避けきれたことはない。昌浩が見鬼の才を失っていた頃に、「見えない奴を潰すのは仁義に反する」という理由で一度だけ物の怪が昌浩の身代わりとして犠牲になったこともある。
山海経(せんがいきょう)
中国の地理書であり、各地の動植物や怪談、妖異について書かれた実在の書。若き日の晴明が特別の許可をもらって写したものを、現在は昌浩がほとんど私物化している。
右手の引き攣れた傷
彰子が異邦の妖異に連れ去られた際に右手につけられた獲物の刻印、すなわち呪詛のこと。彰子が窮奇の声に応えたときに発動する呪詛であり、窮奇が倒された後も常に陰陽師が側にいなくてはならず、彰子が安倍邸に引き取られた所以。実際、陰陽師(特に昌浩または晴明)から離れると呪詛の再発によって倒れてしまう。
生涯消えぬ傷ではあるが、見鬼である者にしか見えない。また、神族には彰子の周りにうっすらとまとわりついた影が見えるらしい。
上段回し蹴り、延髄切り、延髄切り風味竜巻落とし、雷の舞、あぎと蹴り、脳天直下唐竹割り
紅蓮が変化した姿である物の怪が、対敏次用に編み出した必殺技の数々。どれをとっても一撃で「夢の国」へと旅立つことができるほどの威力らしい。(CD『晴明の孫とその相棒よくある風景』より)
九流
八岐大蛇を崇める一族で、「九流」の名前は出雲の九本の川、すなわち大蛇の八つの頭と珂神比古にやどる九番目の頭を合わせた九本の頭を意味する。一族で力の強い者に珂神比古の名前を与えて祭祀王とし、大蛇の九番目の頭を宿らせる。珂神比古の魂は大蛇の魂が宿った時点で消滅する。かつては、八岐大蛇の力を操ることのできるものが多くいたが、八岐大蛇を退治され周辺との交流を絶ってから次第にその数を減らしていき、今現在は比古と真鉄しかいない。

脚注


関連項目