新羅琴 金泥絵木形

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新羅琴 金泥絵木形(しらぎごと きんでいえきがた,Shiragi-goto Harp)は、平安時代の朝鮮半島起源の撥弦楽器である。新羅楽に用いられた12絃の琴であり、「伽耶琴」とも呼ばれる。

概要

材から一木で彫り出したくりぬきである。槽の背面は空洞で、龍尾端に羊耳型の緒留めが付く。槽の表裏や龍角に金泥絵の痕跡が残っている。823年(弘仁14年)に出蔵された「国家珍宝帳」に記載される「金鏤新羅琴」の代納品が伝わる。奈良時代に正倉院から貸し出したところ、違うものが返納され、それが伝世した。雑物出入帳に「一面 表啚木形金泥押 遠山并雲鳥草等形 罸面畫日象」と記載される。金泥絵はほとんどが剥落しているが、緒留の華文や腹内の金薄押し絵が残る。欅材の緒留は十二孔があけられる。琴柱は黒柿製の4個が古いものである[1]。 十二本の絹糸の弦は新調である。 赤いヒモが取り付けられており[2]、楽器本体を首や肩に掛けて演奏したようである。 『三国史記』によれば古代朝鮮の伽耶で作られ、新羅で流行した。日本には新羅経由で伝わったため新羅琴の名称となる。平安時代まで貴族が演奏した。

==出陳年

  • 1961年 第14回
  • 1969年 第22回
  • 1980年 第33回
  • 1993年 第45回
  • 2007年 第59回
  • 2018年 第70回

管理

  • 倉番 : 北倉 35
  • 用途 : 楽器・楽具
  • 寸法 : 全長154.2 幅上方で30.6 羊耳型幅37.0
  • 材質・技法 : 桐 羊耳型は欅 表は金泥絵・腹内に截金 緒は赤染の麻(苧麻)・絃

参考文献

  1. 奈良国立博物館(1980)『第33回 正倉院展目録』奈良国立博物館
  2. 新羅琴 金泥絵木形宮内庁