東急こどもの国線

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こどもの国線(こどものくにせん)は、神奈川県横浜市緑区長津田駅と、横浜市青葉区こどもの国駅を結ぶ鉄道路線横浜高速鉄道第三種鉄道事業者として車両・施設を保有し、東京急行電鉄(東急)が第二種鉄道事業者として列車を運行する。2000年までは社会福祉法人こどもの国協会が施設を保有していた。

他の第二種鉄道事業線とは異なり、駅等には第三種鉄道事業者の社名が表示され[1]、第三種鉄道事業者の車両を用いて運行することなどから、「横浜高速鉄道こどもの国線」とも呼ばれ、東京地下鉄半蔵門線等の路線案内では「横浜高速こどもの国線」と案内される。路線図駅ナンバリングで使用される路線記号はKD

運賃は東急各線とは別建てとなっている(世田谷線と同様)。

路線データ[編集]

  • 管轄:横浜高速鉄道(第三種鉄道事業者)、東京急行電鉄(第二種鉄道事業者)
  • 路線距離:3.4km
  • 軌間:1067mm
  • 複線区間:なし(全線単線)
  • 電化区間:全線(直流1500V)
  • 閉塞方式:車内信号閉塞式(東急新CS-ATC

歴史[編集]

1959年昭和34年)の皇太子明仁親王結婚を記念して旧日本軍田奈弾薬庫跡地の丘陵に1965年(昭和40年)に開園した「こどもの国」へのアクセス路線として、1967年(昭和42年)4月28日に開業した。建設に当たっては長津田駅から弾薬庫への引き込み線跡を一部利用している。開業当初はスタフ閉塞方式だった。

開業初期には大井町からの直通臨時快速や小学生の遠足などの団体列車の運行もあった。

当初より社会福祉法人(1981年までは特殊法人)こどもの国協会が施設を保有し、東急に運転管理を委託する形で営業されていたが、地方鉄道法に代わる鉄道事業法施行により1987年(昭和62年)4月1日、協会が第三種鉄道事業者、東急が第二種鉄道事業者となる。1989年平成元年)1月26日からはワンマン運転も開始された。

その後沿線の宅地化が進み人口が増加すると列車の運行時間帯拡大の要望が上がり、通勤線への転用が図られることになった。この行為は社会福祉法人としての目的から逸脱するため、こどもの国協会は1997年(平成9年)8月1日付で第三種鉄道事業を横浜高速鉄道に譲渡した。

横浜高速鉄道は、同年10月から改良工事に着手。11月10日から、こどもの国が休園し休園日ダイヤとなる月曜日に、初電と終電をのぞいて列車を運休した。その間は代行バスを走らせ、こどもの国駅の駅舎を建て替え、ロングレール化を行った。さらに行き違い可能な恩田駅を新設し、2000年(平成12年)3月29日から通勤線として営業を開始した。また、通勤線化完成に先立ち、1999年(平成11年)8月1日からは横浜高速鉄道Y000系の営業運転が開始された。

なお、新設された恩田駅付近には長津田車両工場の特修場があり、東急の鉄道線全線・全車両の全検と地方に譲渡される東急車の改造などを行っている。

通勤線への転用は、沿線や周辺の地域で渋滞が慢性化していたという理由もあった。通勤線に転換された後はいくつかの路線バスが廃止された。

通勤線化計画が出ると長津田付近の住民から反対運動が起き、通勤線化計画に反対の看板まで出された。その理由は長津田付近にある急カーブによる騒音だが、東急は当面、カーブでのさらなる速度低下やレールウレタンを貼り付けるなどの対策を行った。

通勤線化工事がされる前には弾薬庫への引き込み線だった名残で線路脇に使われなくなった線路やピットが残っている場所もあったが、これらは通勤線化工事に伴い、撤去された。

こどもの国駅からはTBS緑山スタジオ、三輪緑山を経て鶴川駅までの延伸案がある。

年表[編集]

  • 1967年(昭和42年)4月28日 - 開業。
  • 1987年(昭和62年)4月1日 - 鉄道事業法施行により、東京急行電鉄が第二種鉄道事業者、こどもの国協会が第三種鉄道事業者となる。
  • 1989年(平成元年)1月26日 - ワンマン運転開始。
  • 1997年(平成9年)8月1日 - こどもの国協会が第三種鉄道事業を横浜高速鉄道に譲渡。こどもの国駅無人化。
  • 1997年(平成9年)10月 - 改良工事開始。
  • 1997年(平成9年)11月10日 - 改良工事のため休園ダイヤ時の列車を全面運休し、バス代行開始。
  • 1999年(平成11年)8月1日 - Y000系運転開始。
  • 2000年(平成12年)3月29日 - 通勤路線化。恩田駅開業。休園ダイヤ廃止。

運行形態[編集]

通勤線化前は純粋なこどもの国へのアクセス路線という位置づけであり、運転時間帯はこどもの国の開園時間に合わせられていた。初電が8時台、終電も18時台となっており、列車の間隔も不均等で、天候やこどもの国の利用状況に応じて運転される「不定期列車」が数多く設定されていた。当時、こどもの国の休園日の毎週月曜日(月曜日が祝日の場合はその翌日)には「休園日ダイヤ」という毎時1本程度運転のダイヤだった。この「休園日ダイヤ」にも「平日」と「休日」の2種類があった。通常の休園日には「平日休園日ダイヤ」を用い、「休日休園日ダイヤ」は元日など限られた日しか用いられていなかったが、それぞれ異なるダイヤだった。なお、通勤線化直前の時点でも土曜日は平日ダイヤであった。

また途中に交換設備がなかったため、1本の列車が往復する運行しかできず、ゴールデンウィークや夏休みなどの多客期には、東急大井町線用の5両編成の列車を走らせて対応していた。この場合はワンマン運転を取りやめ、車掌が乗務していた。

通勤線化後は運行時間帯が平日は5時台 - 24時台、土休日は6時台 - 23時台と大幅に拡大し、恩田駅に交換設備ができたため、列車本数も平日の朝夕の混雑時間帯は最大10分間隔、平日の日中、土休日の終日は20分間隔のパターンダイヤとなって利便性が大幅に向上した。また「休園日ダイヤ」も廃止され、こどもの国の休園日も通常の平日、土休日ダイヤに統一されている。ゴールデンウィークや夏休みなどの多客期には、日中の運転間隔を通常の20分間隔から10分間隔にして運転本数を増やすなど、利用状況に応じた対応をしている。

車両[編集]

こどもの国線の車両は次の通り。

また、1996年には大井町線用の東急9000系9007Fが計3日間3両編成化されてこどもの国線で運用されたことがある[4]

運賃[編集]

当線は独立した運賃体系を採っており、全線均一制で2014年4月1日現在、ICカード利用の場合は154円、切符購入の場合は160円(小児はそれぞれ77円、80円)である。東急他路線との運賃は当線と他路線の運賃の合算となり、長津田経由で乗車しても、営業キロを通算しての運賃計算は行わない。青葉台駅田奈駅つくし野駅すずかけ台駅の各駅との間は乗継割引があり、当線と東急他路線運賃の合算額から20円引きとなる。

長津田駅から乗車する場合は券売機で「こどもの国線」用の乗車券を購入するか、着駅となる恩田駅こどもの国駅の精算機で支払う。これは長津田駅の当線乗り場に改札口がないためである。「東急線(東急の鉄道線)」のみの乗車券・回数券では利用できない。なお、東急電鉄の「株主優待乗車証」は利用でき、長津田駅にて田園都市線から乗り継ぐ際「回数券タイプの株主優待乗車証」を自動改札機へ投入しても回収はされず、引き続きこどもの国線へ乗車し、恩田駅、こどもの国駅の改札機へ投入して出場することができる。そのため、長津田駅の改札口付近には「不要乗車券回収箱」が設置されている。

夏季の東急スタンプラリーに併せて発売される東急ワンデーオープンチケット(東急鉄道全線1日乗車券)で当線も乗車可能だが、2008年現在、同乗車券は恩田駅・こどもの国駅では発売していない(2005年に発売した東急鉄道全線1日乗車券では「横浜高速鉄道は利用できません」と印刷されていたが、これは横浜高速みなとみらい線を意味しており、当線は利用可能であった)。また、恩田駅・こどもの国駅にはスタンプを設置していない。

駅一覧[編集]

座標一覧
OpenStreetMap
座標のDL
KML · GPX


駅番号 駅名 駅間キロ 累計キロ 接続路線 所在地 位置
KD01 長津田駅 - 0.0 東急電鉄DT 田園都市線 (DT22)(OM 大井町線直通列車含む)
東日本旅客鉄道JH 横浜線 (JH 21)
緑区 35 31 55 N 139 29 40 E
KD02 恩田駅 1.8 1.8   青葉区 35 32 44 N 139 29 32 E
KD03 こどもの国駅 1.6 3.4   35 33 29 N 139 29 12 E

脚注[編集]

  1. 同様の事例は、他に2010年9月以前の神戸高速鉄道東西線・南北線がある。なお恩田駅・こどもの国駅駅舎には第二種鉄道事業者である東京急行電鉄の社名と社紋が併記されている。
  2. 小林和明 「東急'84--チャレンジ100キロ」『鉄道ピクトリアル』35巻1号(1985年1月号臨時増刊・通巻442号)、鉄道図書刊行会。
  3. 金子智治 「東急 列車運転の興味」『鉄道ピクトリアル』44巻12号(1994年12月号臨時増刊・通巻600号)、鉄道図書刊行会。
  4. 金子智治 「東急 運転の興味―2004―」『鉄道ピクトリアル』2004年7月臨時増刊号(通巻749号)特集・東京急行電鉄、鉄道図書刊行会。
  5. 東急線全駅で駅ナンバリングを導入します - 東京急行電鉄、2012年1月26日、2012年1月26日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]