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(サイコパスである人物/事件)
 
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=== 猟奇的だがサイコパスではないと診断された人物/事件 ===
 
=== 猟奇的だがサイコパスではないと診断された人物/事件 ===

2015年4月11日 (土) 20:00時点における最新版

テンプレート:Redirect3 テンプレート:犯罪学と刑罰学 テンプレート:パーソナリティ障害 精神病質(せいしんびょうしつ、psychopathyサイコパシー)とは、反社会的人格の一種を意味する心理学用語であり、主に異常心理学生物学的精神医学などの分野で使われている。その精神病質者をサイコパスpsychopath)と呼ぶ。

概要[編集]

小学館大辞泉には「精神病質(その人格のために本人や社会が悩む、正常とされる人格から逸脱したもの)である人」と記載されている[1]

特徴

犯罪心理学者のロバート・D・ヘアは以下のように定義している。

  • 良心が異常に欠如している
  • 他者に冷淡で共感しない
  • 慢性的に平然と嘘をつく
  • 行動に対する責任が全く取れない
  • 罪悪感が皆無
  • 自尊心が過大で自己中心的
  • 口が達者で表面は魅力的

オクスフォード大学の心理学専門家ケヴィン・ダットンによると、サイコパスの主な特徴は、極端な冷酷さ・無慈悲・エゴイズム・感情の欠如・結果至上主義、である[2]

別の言い方をすると、他人に対する思いやりに全く欠けており、罪悪感も後悔の念もなく、社会の規範を犯し、人の期待を裏切り、自分勝手に欲しいものを取り、好きなように振る舞う。

日本の法律「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」の第5条では精神障害者としている。

統計的傾向

その大部分は殺人を犯す凶悪犯ではなく、身近にひそむ異常人格者である。北米には少なくとも200万人、ニューヨークだけでも10万人のサイコパスがいると、 ヘアは統計的に見積っている。

先天的な原因があるとされ、殆どが男性である[3]。脳の働きを計測すると、共感性を司る部分の働きが弱い場合が多いという[3]

ケヴィン・ダットンの調査による、サイコパスの多い職業の上位10位は次のとおり[2]

#統計的傾向

精神医学領域での判別

現在は20項目(『HARE PCL-R第2版テクニカルマニュアル』)が新たに定められ、それを用いて個別診断で半構造面接を行い2時間半~3時間かけて評定をする。

サイコパスは異常であるが病気(いわゆる精神病)ではなく、ほとんどの人々が通常の社会生活を営んでいる。そのため、現在では精神異常という位置づけではなく、パーソナリティ障害とされている。そのため、日本では反社会性パーソナリティ障害と名称されている。しかし、以前は精神病質の定義についてはっきりとした概念がなかったことから、家庭内暴力を起こしたりする者に対して、精神病質であると一概にまとめられ精神科病院への収容がされてしまい、これらの人々に対するロボトミー手術などの不用意な脳外科手術が行われ、手術をされた患者の人格や精神上不安定になるなどが起こるなど、医療上の人権侵害が行われた。

実際、精神病質と社会病質が混合されているが、ヘアによると精神病質と反社会病質は似て非なるものであると記している。精神病質の原因と考えられているのは前頭葉の障害であるとされ、健常者の脳波とはまるで違う脳波を見せる。精神病質は遺伝病だとされる意見が主とされている。逆に、家庭・周囲環境や障害に因る心身の衰弱によるものなどによる、精神病質に似た性格異常は仮精神病質(偽精神病質)とされ、精神病質とは識別されている。

エミール・クレペリン[4]によるとサイコパスのひとつに「空想虚言者」という類型がある。

  1. 【想像力が異常に旺盛で、空想を現実よりも優先する】
    一見才能があり博学で、地理・歴史・技術・医学など、何くれとなく通じていて話題が豊富であるが、よく調べるとその知識は他人の話からの寄せ集めである。
  2. 【弁舌が淀みなく、当意即妙の応答がうまい】
    好んで難解な外来語や人を驚かす言説をなす。
  3. 【人の心を操り、人気を集め、注目を浴びることに長けている】
    自己中心の空想に陶酔して、他人の批判を許さない。

自ら嘘をついて、いつのまにかその嘘を自分でも信じ込んでしまうのである。

下の「#サイコパスチェックリスト」の節も参照。

統計的傾向[編集]

マーサ・スタウトによれば、アメリカでは25人に1人(約4%)とされる。ただし、東アジアの国々では反社会性人格障害者の割合は極めて低くおよそ0.1%前後としている[5]

また、ヘアは、次のような職業の者に多いと推測している[6]

また、他にも次のような者にも多いとしている[6]

彼らの特性が原因で、サイコパスは、組織内の位置としては、組織下層部よりも上層部に多いと考えられており、とりわけ企業に存在するサイコパスはコーポレート・サイコパス (corporate psycopath) と呼ばれ、長年安定して営まれてきた企業をときに破滅へと導く原因になり得ると考えられはじめている[7]

サイコパスチェックリスト[編集]

「サイコパスチェックリスト」は専門家が使う場合でも相当に複雑な臨床診断の道具であり、自分自身やそばにいる人をこれを使って診断してはいけない。この診断にはしっかりした訓練と、正式な採点方法が必要である。

DSM-IVでの行為障害反社会性パーソナリティ障害の診断とPCL-Rで示されるサイコパス概念の違いは、人格というより、情動に着目することによってDSM-IVの診断を発展させたところにある。DSM-IVの診断では、単に反社会的行動をとる人たちという幅広い、それに至る多くの道があるという集団が同定されてしまう。

Psychopathy Checklist (PCL)

1. 口達者/表面的な魅力 12. 乱交的な性関係
2. 過去におけるサイコパスあるいは類似の診断 13. 幼少期からの行動上の問題
3. 自己中心性/自己価値の誇大的な感覚 14. 現実的で長期的な計画の欠如
4. 退屈しやすさ/欲求不満耐性の低さ 15. 衝動性
5. 病的に嘘をついたり人を騙す 16. 親として無責任な行動
6. 狡猾さ/正直さの欠如 17. 数多くの結婚・離婚歴
7. 良心の呵責あるいは罪悪感の欠如 18. 少年時代の非行
8. 情緒の深みや感情の欠如 19. 保護観察あるいは執行猶予期間の再犯の危険が高い
9. 無神経/共感の欠如 20. 自分の行動に対する責任を受け入れることができない
10. 寄生虫的な生活様式 21. 多種類の犯罪行為
11. 短気/行動のコントロールの欠如 22. 薬物やアルコールの乱用が反社会的行動の直接の原因ではない
  • 各項目は、「0, 1, 2」の3点法で採点し、臨床的には合計点で評価する。点数が高いほどサイコパスの特質を多く持っていることになる。

(改訂版)

The Psychopathy Checklist-Revised (PCL-R)

1. 口達者/表面的な魅力 11. 放逸な性行動
2. 誇大的な自己価値観 12. 幼少期の問題行動
3. 刺激を求める/退屈しやすい 13. 現実的・長期的な目標の欠如
4. 病的な虚言 14. 衝動的
5. 偽り騙す傾向/操作的(人を操る) 15. 無責任
6. 良心の呵責・罪悪感の欠如 16. 自分の行動に対して責任が取れない
7. 浅薄な感情 17. 数多くの婚姻関係
8. 冷淡で共感性の欠如 18. 少年非行
9. 寄生的生活様式 19. 仮釈放の取消
10. 行動のコントロールができない 20. 多種多様な犯罪歴
  • それぞれの項目は、0〜2点で評定、総計で0〜40点に分布する。
  • 成人で30点を超えるとサイコパスとされ、20点未満であるとサイコパスではないとみなされる。
  • 子供のサイコパス傾向についての基準はあまり確立していないが、27点がカットオフ値。

サイコパスの2因子モデル

因子1:対人/情動面 因子2:衝動的/反社会的行動面 因子3:どちらにも含まれない項目
1. 口達者/表面的な魅力 3. 刺激を求める/退屈しやすい 11. 放逸な性行動
2. 誇大的な自己価値観 9. 寄生的生活様式 17. 数多くの婚姻関係
4. 病的な虚言 10. 行動のコントロールができない 20. 多種多様な犯罪歴
5. 偽り騙す傾向/操作的(人を操る) 12. 幼少期の問題行動
6. 良心の呵責・罪悪感の欠如 13. 現実的・長期的な目標の欠如
7. 浅薄な感情 14. 衝動的
8. 冷淡で共感性の欠如 15. 無責任
16. 自分の行動に対して責任が取れない 18. 少年非行
19. 仮釈放の取消

サイコパスの3因子モデル

尊大で虚偽的な対人関係 感情の欠落 衝動的/無責任 どの因子にも含まれない項目
1. 口達者/表面的な魅力 6. 良心の呵責・罪悪感の欠如 3. 刺激を求める/退屈しやすい 10. 行動のコントロールができない
2. 誇大的な自己価値観 7. 浅薄な感情 9. 寄生的生活様式 11. 放逸な性行動
4. 病的な虚言 8. 冷淡で共感性の欠如 13. 現実的・長期的な目標の欠如 12. 幼少期の問題行動
5. 偽り騙す傾向/操作的(人を操る) 16. 自分の行動に対して責任が取れない 14. 衝動的 17. 数多くの婚姻関係
15. 無責任 18. 少年非行
19. 仮釈放の取消
20. 多種多様な犯罪歴

サイコパシー・チェックリスト (PCL-R) をめぐる論争

サイコパシーの尺度の一つとして、PCL-Rは確かに有用ではあるが、PCL-Rが「サイコパスの定義」と誤解されることが危惧されており、特に犯罪歴に関する項目が含まれている点に関しては強い批判がある[8]。これに対して、ロバート・ヘアらは、「サイコパスであるためには、広義の意味で反社会的(antisocial)であることは必須であるが、犯罪的(criminal)であることは必ずしも必須ではない」と認めている[9]。これにより、かつてハーヴェイ・クレックレーがその著書「The Mask of Sanity(正気の仮面)」で示唆した、非犯罪的サイコパスないし“成功した”サイコパス[10]の存在が再認識された。

類似する用語[編集]

類似する用語として、社会病質(しゃかいびょうしつ、sociopathyソシオパシー)、社会病質者(しゃかいびょうしつしゃ、sociopathソシオパス)がある。 行動遺伝学者デヴィッド・リッケン (David T. Lykken) は反社会的人格をソシオパス的人格、サイコパス的人格、性格神経症の三つに大別し、 ソシオパス的人格は、親の育て方などによる後天的なもの、サイコパス的人格は元来の性格、気質などの先天的なものとして位置付けている[11]。 しかし一般には、ソシオパスとサイコパスはほぼ同義なものとして扱われることが多い[12]

注意点として、たとえばアスペルガー症候群自閉的精神病質と呼ばれていたように、「精神病質(サイコパシー)」という言葉はかつては(主にヨーロッパにおいて)精神医学用語の1つとして、比較的広い意味で用いられていた。現在ではそうした用法は廃れているが、今日の用法と混同しないよう注意が必要である。またサイコパスは俗にサイコと略されることがあるが、この言葉には「精神病的(psychotic、サイコチック)」という意味も含まれることもあるので、「サイコパス的(psychopathic、サイコパシック)」というとは必ずしも同義ではない。

『診断名サイコパス』によるサイコパスの概要[編集]

同書の原題は「WITHOUT CONSCIENCE」(良心の呵責を覚えず)である。 現在のサイコパスとは日本で言われていたロボトミー時代の精神病質とは定義が異なる。

本書のヘア曰く、サイコパスは他者に愛着を持ち辛く、良心(不安感)に乏しく、加えて攻撃的(反社会的)な人物であるとされる。 これは先天(器質)的な脳障害により、異常なほど強力な防衛機制(不安に対処する能力)が働くため、罰に対するリアリティーが乏しくなり、反社会性を示し易いということである。 ただし反社会性は後天的な要素であるため、対処の仕方によっては矯正可能と見ている。

一方ソシオパスは後天的要因(反社会性)のみが濃いとされ、サイコパスと混同するのは誤りであるとしている。 サイコパスは愛着が無いかわりに特定の人物に執着せず、裏切られたとしても相手を恨んだりすることはないが、 ソシオパスは執着もすれば、恨むこともある。 例えば「ストーカー」という犯罪行為にしても、サイコパスの場合は愛着を持たない性格のため、長期間(一ヶ月等)の継続的なストーキングはありえず、1日か2日で終わるという。

サイコパスとフィクション[編集]

犯罪少年犯罪)を題材にしたフィクションの作品においてもサイコパス(またはソシオパス、反社会性パーソナリティ障害)の要素があるキャラクターが登場している。大抵はモラルが欠落した者(反社会性を持つ者)・犯罪者・サイコキラーとして登場させることが多い。

サイコパスを持つキャラクターの大半はミステリーホラーサイコホラー)・スリラーサイコスリラー)・アクションに当てはまる作品(あるいは猟奇殺人をテーマにした作品)に登場する。一方で、発達障害精神疾患に対するステレオタイプな誤解をもたらす可能性もある。

関連人物・事件[編集]

サイコパスである人物/事件[編集]

猟奇的だがサイコパスではないと診断された人物/事件[編集]

関連作品[編集]

精神医学等学術書および類する参考書籍[編集]

小説・ライトノベル[編集]

映画・ドラマ[編集]

ゲーム[編集]

脚注 / 出典[編集]

  1. () サイコパス とは コトバンク [ arch. ] 2014-2-12
  2. 2.00 2.01 2.02 2.03 2.04 2.05 2.06 2.07 2.08 2.09 2.10 2.11 英国心理学者 サイコパスが多い職場上位10を発表
  3. 3.0 3.1 日経サイエンス2013年2月号サイコパス特集
  4. 内田クレペリン精神検査の元となる「作業曲線」を発見した人物。
  5. スタウト『良心を持たない人たち』p18, p181
  6. 6.00 6.01 6.02 6.03 6.04 6.05 6.06 6.07 6.08 6.09 6.10 6.11 6.12 6.13 6.14 6.15 6.16 6.17 6.18 6.19 6.20 6.21 6.22 6.23 『Snakes in suits』p194、『診断名サイコパス』p32
  7. Clive R. Boddy (Aug 2011) Clive R. Boddy The Corporate Psychopaths Theory of the Global Financial Crisis Journal of Business Ethics 102 2 Springer Aug 2011 255-259 10.1007/s10551-011-0810-4
  8. Skeem JL, Cooke DJ, "Is Criminal Behavior a Central Component of Psychopathy? Conceptual Directions for Resolving the Debate", Psychological Assessment, Volume 22, Issue 2, June 2010, Pages 433-445.
  9. Hare RD, Neumann CS. "The role of antisociality in the psychopathy construct: Comment on Skeem and Cooke (2010)", Psychological Assessment, Volume 22, Issue 2, June 2010, Pages 446-454.
  10. 但し、クレックレー自身は「部分的サイコパス(partial psychopath)」という言い方をしている。このタイプのサイコパスは、例えば、ロバート・D・ヘア/ポール・バビアク著「社内の「知的確信犯」を探し出せ」(原題:"Snakes in Suits: When Psychopaths Go to Work(スーツを着た蛇たち:サイコパスたちが仕事に出かけるとき)")において、「デイヴ」というキャラクターを用いて素人向けに説明されている。
  11. Lykken, D. T. "The Antisocial Personalities", Psychology Press, 1 edition (May 3, 1995), 7頁。
  12. マーサ・スタウト著「良心をもたない人たち―25人に1人という恐怖」(原題:「The sociopath next door(隣のソシオパス)」)では、訳者あとがきにも述べられているように、ソシオパス、反社会性パーソナリティ障害、サイコパスがほとんど区別されていない。
  13. 豊田正義『消された一家』新潮文庫、334頁。精神科医である岩波明の解説より。
  14. ハーバード大学の専門家グループによる非専門家向けの啓蒙書『サイコパスとサイコパシーに関する考察:よくある質問に対する答えと事例 ("Thinking About Psychopath and Psychopathy: Answers to Frequently Asked Questions With Case Examples")』(2006) - iUniverse によれば、「ジム・ジョーンズが何の精神疾患を有していたかは多少の議論の余地はある。彼について知られている全てのことに基づいて言えば、彼は完全サイコパスであったように思われる」(同、148頁)とある。また、ジム・ジョーンズは人権委員会や住宅管理機関などの公職に選任されている(例えば、『Raven: The Untold Story of the Rev. Jim Jones and His People』(2008) - Tim Reiterman and John Jacobs (著), Tarcher/Penguin, 268頁参照)ことから、“成功した”サイコパス (successful psychopath) の実例ともなり得る。
  15. サイコパシー研究の先駆者ハーヴェイ・クレックレーは著書「正気の仮面 (The Mask of Sanity)」(第5版、355頁)において、同原書のアルキビアデス伝を引用しながら「アルキビアデスは、この数十年間当惑と驚嘆をもって我々がサイコパスと呼ぶようになったところの壮大な例であったかもしれないと強く示唆する多くの点がある」と述べている。
  16. "Handbook of Psychopathy", Christopher J. Patrick PhD (Editor), The Guilford Press; 1 edition (October 18, 2005), 23, The "Successful" Psychopath, Jason R. Hall & Stepen D. Bennings, Conceptualization of noncriminal psychopathy, 460頁。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]


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