金沢区

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金沢区(かなざわく)は、神奈川県横浜市を構成する18区のうちのひとつ。旧字体:金澤。かつては「かねさわ」と読まれていたが、近世以降加賀藩の「かなざわ」が著名になり、読みが移り変わったとする説もある[1]

地理

鎌倉幕府の影響として、称名寺金沢文庫などの史跡も多く残っている。三浦半島の東側に位置する。

行政の中心・泥亀は、湯島聖堂の儒官であった永島祐伯(号を泥亀)が新田開発を行ったことに由来する。横浜市の最南端に位置し、横須賀市逗子市鎌倉市磯子区栄区に接する。海岸線を埋め立てた金沢工業地帯と同時に造成された砂浜「海の公園」をはじめ、横浜・八景島シーパラダイス横浜ベイサイドマリーナなど、マリンスポーツを楽しむことのできる複合施設も最近は賑わっている。

横浜市唯一の自然海浜(野島海岸)と、市内最高峰(大丸山)を有する。

河川

主な地名

  • 朝比奈町(あさひなちょう)
  • 海の公園(うみのこうえん)
  • 大川(おおかわ)
  • 乙舳町(おっともちょう)
  • 片吹(かたぶき)
  • 金沢町(かなざわちょう)
  • 釜利谷町(かまりやちょう)
  • 釜利谷西(かまりやにし)一~六丁目
  • 釜利谷東(かまりやひがし)一~八丁目
  • 釜利谷南(かまりやみなみ)一~四丁目
  • 幸浦(さちうら)一~二丁目
  • 柴町(しばちょう)
  • 昭和町(しょうわまち)
  • 白帆(しらほ)
  • 洲崎町(すさきちょう)
  • 瀬戸(せと)
  • 大道(だいどう)一~二丁目
  • 高舟台(たかふねだい)一~二丁目
  • 泥亀(でいき)一~二丁目
  • 寺前(てらまえ)一~二丁目
  • 富岡西(とみおかにし)一~七丁目
  • 富岡東(とみおかひがし)一~六丁目
  • 鳥浜町(とりはまちょう)
  • 長浜(ながはま)
  • 長浜(ながはま)一~二丁目
  • 並木(なみき)一~三丁目
  • 西柴(にししば)一~四丁目
  • 能見台(のうけんだい)一~六丁目
  • 能見台通(のうけんだいどおり)
  • 能見台東(のうけんだいひがし)
  • 能見台森(のうけんだいもり)
  • 野島町(のじまちょう)
  • 八景島(はっけいじま)
  • 東朝比奈(ひがしあさひな)一~三丁目
  • 平潟町(ひらがたちょう)
  • 福浦(ふくうら)一~三丁目
  • 堀口(ほりぐち)
  • 町屋町(まちやちょう)
  • みず木町(みずきちょう)
  • 六浦(むつうら)一~五丁目
  • 六浦町(むつうらちょう)
  • 六浦東(むつうらひがし)一~三丁目
  • 六浦南(むつうらみなみ)一~五丁目
  • 谷津町(やつちょう)
  • 柳町(やなぎちょう)

歴史

古くは武蔵国倉城郡(後の久良岐郡六浦荘という荘園 (日本)が設置され、国衙(こくが)や郡衙の支配を受けない私有地だった。六浦・金沢(かねさわ)・釜利谷・富岡が4郷から成っていた。(金沢文庫#「かねさわ」と「かなざわ」も参照)。鎌倉時代には幕府隣接の港町・六浦湊として栄え、兼好法師が庵を結んだという伝承のある現在の上行寺東遺跡や、北条氏による称名寺及び金沢文庫鎌倉市との境に残る朝比奈切通し(国の史跡)などが造られた。古来、砂鉄を産し、これが「かねさわ」の語源といわれる。

鎌倉時代初期釜利谷の領主・畠山重忠は、本拠の埼玉・秩父地方から職人を移住させ、武具などを製作させた。また、南北朝時代、瀬ヶ崎には奥州管領大崎詮持の居館があった。永享の乱では合戦場となっている。

江戸時代に入ると、1722年米倉忠仰下野国皆川から陣屋を金沢に移し、六浦藩が成立する(横浜市域では唯一の大名)。米倉氏甲斐源氏武田氏支流であったが武田氏滅亡後、徳川家康を頼り、綱吉の時代、同じ武川衆の家系であった柳沢吉保との縁戚関係から諸侯に列した。現在は陣屋跡に当主一家が住まう。また江戸時代には景色の美しさから観光地となり金沢八景と呼ばれた。

富岡海岸では明治初期に外国人が海水浴を始め[2]、明治10年代になると井上馨三条実美松方正義大鳥圭介ら中央政界の要人が訪れるようになり[3]、やがてこれら要人たちの別荘が建てられた[4][5]

行政

区長 
 橘川 和夫 ( - 2005年3月31日)
 横松進一郎(2005年4月1日 - 2008年3月31日)
 石井 洋一 (2008年4月1日 - 2010年3月31日)
 橋本 康正 (2010年4月1日 - 2012年3月31日)
 林 琢己  (2012年4月1日 - )

政治

  • 横浜市議会金沢区選挙区(定数5)
  • 神奈川県議会金沢区選挙区(定数2)

公共施設

港湾
漁港
スポーツ
  • リネツ金沢(プール)
  • 金沢スポーツセンター(屋内競技場)

住宅団地

  • UR 金沢シーサイドタウン
  • UR 六浦団地(六浦町)
  • 市営住宅 金沢
  • 市営住宅 金沢第二
  • 市営住宅 富岡西ハイツ
  • 市営住宅 金沢柴町
  • 市営住宅 ラマージュ
  • 市営住宅 釜利谷東ハイツ
  • 県営大道団地(大道1-30外)
  • 県営釜利谷団地(釜利谷南2丁目)
  • 県営谷津坂団地(西柴1-24-1外)
  • 県営朝比奈団地(東朝比奈3-2-12外)
  • 県営六浦団地(六浦東1-6-1外)
  • 県営平潟団地(平潟町)

教育

大学・短期大学

高校

公立

私立

中学校

公立

  • 横浜市立小田中学校
  • 横浜市立富岡東中学校
私立

小学校

公立

  • 横浜市立六浦南小学校
  • 横浜市立瀬ヶ崎小学校
  • 横浜市立六浦小学校
  • 横浜市立朝比奈小学校
  • 横浜市立大道小学校
  • 横浜市立高舟台小学校
  • 横浜市立釜利谷小学校
  • 横浜市立釜利谷南小学校

  • 横浜市立釜利谷西小学校
  • 横浜市立釜利谷東小学校
  • 横浜市立八景小学校
  • 横浜市立金沢小学校
  • 横浜市立文庫小学校
  • 横浜市立西柴小学校
  • 横浜市立能見台小学校
  • 横浜市立能見台南小学校

私立

特別支援学校

  • 横浜市立浦舟特別支援学校・横浜市立大学附属病院福浦院内学級

  • 神奈川県立金沢養護学校

幼稚園

  • あけぼの幼稚園(富岡東)
  • こすもす幼稚園(富岡東)
  • 並木幼稚園(並木)
  • フレンド幼稚園(並木)
  • 京急幼稚園(能見台)
  • 文庫幼稚園(西柴)

  • 天使幼稚園(金沢町)
  • さざなみ幼稚園(町屋町)
  • 光輪幼稚園(平潟町)
  • ルンビニー花園幼稚園(釜利谷東)
  • カナリヤ幼稚園(釜利谷西)
  • 金沢白百合幼稚園(釜利谷南)

  • 大道幼稚園(大道)
  • あさひな幼稚園(東朝比奈)
  • 関東学院六浦こども園(六浦東)
  • 横浜市南六浦保育園(六浦)

交通

鉄道

路線バス

道路

商業

大手スーパーマーケット

名所・旧跡・観光スポット

社寺

  • 長昌寺(富岡東)
  • 慶珊寺(富岡東)
  • 持明院(富岡東)
  • 宝珠院(富岡東)
  • 富岡八幡宮(富岡東)
  • 宝蔵院(柴町)
  • 熊野神社(柴町)
  • 称名寺(金沢町)
  • 大宝院(金沢町)

  • 光明院(金沢町)
  • 三宝寺(金沢町)
  • 薬王寺(寺前)
  • 寺前八幡神社(寺前)
  • 龍華寺(洲崎町)
  • 稲荷神社(谷津町)
  • 浅間神社(谷津町)
  • 正法院(釜利谷東)
  • 金蔵院(釜利谷東)

  • 満蔵院(釜利谷東)
  • 禅林寺(釜利谷東)
  • 自性院(釜利谷東)
  • 手子神社(釜利谷南)
  • 東光禅寺(釜利谷南)
  • 瀬戸神社(瀬戸)
  • 琵琶島神社(瀬戸)
  • 上行寺(中世のやぐら跡発掘。兼好法師旧宅跡)
  • 長生寺(六浦)

ゆかりのある有名人

脚注

  1. 金沢文庫は、かつて「かなざわ」ではなく「かねさわ」だったって本当?(はまれぽ.com 2014年11月13日)
  2. 内田四方蔵『金沢の一〇〇年』横浜市金沢図書館 1987年 p.24
  3. 内田四方蔵『金沢の一〇〇年』横浜市金沢図書館 1987年 p.34
  4. 『図説かなざわの歴史』金沢区制五十周年記念事業実行委員会編 2001年 p.226
  5. 『創立百周年記念誌』富岡小学校百周年記念事業推進委員会 1973年 pp.36-38

外部リンク