三大秘法

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三大秘法さんだいひほう)とは、日蓮大聖人の説いた仏教における根本的教義であり、

  1. 本門の本尊
  2. 本門の戒壇
  3. 本門の題目

の3つからなる。『報恩抄』『法華取要抄』『三大秘法抄』などに記述が見られる。

法華経は二十八品(ほん=法華経を本にたとえると章の様なもの)からなるが、その後半十四品を本門といい、如来寿量品第十六の文の底に秘して沈められた法門である。 人本尊開顕の書とされる『開目抄』には「一念三千の法門は、但法華経の本門の寿量品の文の底に秘し沈めたり」とある。

日蓮大聖人が顕された法門には五重三段・四重興廃・五綱判などがあるが、三大秘法は法門ではなく法体(ほったい)を云うものであるので宗旨の三箇とする。

解釈は法華宗各派でそれぞれ異なるが、以下、代表的な両極端の例として、日蓮宗日蓮正宗の例を挙げる。


日蓮宗/法華宗(一般的日蓮系)における三大秘法の解釈[編集]

「本門の本尊」:本門の本尊は、伽耶成道の釈尊が、寿量品でみずから久遠常住の如来であることを開顕された仏

「本門の戒壇」:現在は定義付けがなく研究の最中であるとして、総本山ならびに宗務院がコメントを控えている。

「本門の題目」:釈尊の悟りの一念三千である南無妙法蓮華経

一致派をはじめとする主流派では、これらは概念上のもの、心の中にあるものとされ、日蓮宗が決めた本尊に向かって、題目を唱えれば、そこが「本門の戒壇」になる、という人もあるが、日蓮宗は統合宗派ではなく連合宗派なので、統一された見解ではない。

日蓮正宗における三大秘法の解釈[編集]

「本門の本尊」:人の本尊は日蓮大聖人、法の本尊は事の一念三千の大曼荼羅本尊。

「本門の戒壇」:事の戒壇は本門戒壇大御本尊を安置する処、義の戒壇は余の御本尊所住の処。

「本門の題目」:信の題目は本門戒壇大御本尊を信じること、行の題目は南無妙法蓮華経と我も唱え、人にも勧めること。

三大秘法の中心が本門の本尊であるとする。なかでも弘安二年(1279年10月12日宗祖所顕と伝えられる本門戒壇の大御本尊を根源として三大秘法は生み出されているのであり、これを開くと人と法の本尊・事と義の戒壇・信と行の題目の六大秘法となり、さらに開くと仏教八万四千の法門すべてになる。

一大秘宝とは本門の本尊のことである。すなわち三大秘法総在の大御本尊をいう。開けば三大秘法となり、さらに開けば六代秘法となる。而して三大秘法を合すれば一大秘法となる。(六巻抄依儀判文抄参照)

その他[編集]

第2次世界大戦での敗戦前の国柱会、戦後昭和30年代の日蓮正宗・創価学会、(のち、正本堂建立数年前に批判を受け国立戒壇論を撤回) 冨士大石寺顕正会などでは、国立戒壇論の絶対化を掲げた。戒壇を中心に三大秘法を解釈しようとした稀有な例と言える。

また、特に1951年開始された創価学会折伏大行進以降になるとスラング的用法として折伏の被害者、熱心な信者即ち加害者双方から信教の自由民事不介入青少年の人権の3つが行政、警察、裁判所等公的機関の及び腰な姿勢を示す言葉として三大秘法と表現されるようになった。特に急進派の団体では若年会員に「強引な折伏で脅迫、放火、逮捕監禁等の罪に実際に問われても、未成年で1回目なら不起訴(ここでは罪を認めた上での『起訴猶予処分』も含む)で済む」とベテラン会員からの指導がなされることも時としてあると各所から情報が発信されており、各分派ごとで用語、同解釈がまちまちなのが常の日蓮系仏教において珍しく被害者加害者双方で全く同じ用語、解釈となっている。