望月新一

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望月 新一

望月 新一(もちづき しんいち、1969年3月29日 - )は、日本数学者京都大学数理解析研究所教授。専門は数論幾何学遠アーベル幾何学東京都出身。

略歴[編集]

研究内容・業績[編集]

代数曲線におけるGrothendieck予想を予想を超えた形で証明。

p進Teichmuller理論の構築、Hodge-Arakelov理論の構築、曲線のモジュライ空間の既約性の別証明、数論的小平-Spencer理論、Hurwitz Schemeのコンパクト化、crys-stable bundleの構成、数論的log Scheme圏論的表示の構成、inter-universal geometryの構築。

1998年ICMでは招待講演をしている。

著作にFoundations of <math>p</math>-adic Teichmuller Theoryがある。

p進タイヒミュラー理論[編集]

複素数体上の双曲的代数曲線とそのモジュライ空間の一意化理論としては,(ケーべの一意化定理, ベアス理論などを含む)タイヒミュラー理論が古典的に確立されている。

一方、p進体上の(偏極)アーベル多様体とそのモジュライ空間の一意化理論としては、セール・テイト理論が1960年代に確立されている。しかしながら、p進体上の双曲的代数曲線とそのモジュライ空間の一意化理論は、望月の研究以前には満足のいくものがほとんどなかった。(マンフォード一意化理論はあったが、これは、タイヒミュラー理論ではなくショットキー一意化理論の類似)

タイヒミュラー理論は、通常の定式化では純に複素解析的なものであり、p進的類似を求めることは不可能に思われる。そこで、望月は、タイヒミュラー理論の固有束による定式化に着目し、これを足がかりにしてp進タイヒミュラー理論を構築していった。その際、技術的な核となったのは、正標数代数多様体の上のクリスタルの理論やp進代数多様体のp進ホッジ理論など。その結果、代数曲線とそのモジュライ空間の望ましいp進一意化理論が完成し、曲線のモジュライ空間上の標準フロベニウス持ち上げと標準座標、曲線の標準持ち上げ曲線の数論的基本群のPGL2への標準表現、など斬新かつ基本的な対象たちが続続と発見された。これらの結果は、約200ページの大論文と500ページ超の大著にまとめられた。

p進タイヒミュラー理論の応用としては、望月自身によって、曲線のモジュライ空間の既約性の別証明や、遠アーベル幾何(絶対p進グロタンディーク予想)への応用などが得られている。また、望月のこの斬新な理論は、F. OortB. Moonenら曲線・アーベル多様体のモジュライの数論幾何の研究者、A. OgusB. Ossermanら正標数代数幾何の研究者、F. Volochら代数幾何的符号理論の研究者など、さまざまな分野の研究者の注目を集めている。

人物[編集]

  • 普通の研究者であれば, ディオファントス幾何に関する結果をなるべく早く形にして2006年のフィールズ賞に間に合うようにと考えるが、望月は, 賞に対しては全く無欲というか, むしろやや否定的で,十分時間をかけて基礎理論を満足のいくような形で完成させることに力を注ぐ。あくまで数学による真理の探求が興味関心の中心である。
  • A.Wiles がフェルマ予想に挑んでいた時などと違い、大予想の証明に向かう途中の理論についても, 全てプレプリントなどで公開する。それを見て誰かが先に証明してしまうのではないかという周囲の心配もどこ吹く風で、「自分の理論を理解して先に証明してくれるのであればむしろありがたい」と言っている。

ABC予想への挑戦[編集]

2012年8月30日、望月はABC予想を証明する論文をインターネット上で発表した。証明に350年程かかったフェルマーの最終定理も、ABC予想を使えば一気に証明が可能となるため、欧米マスメディアも「驚異的な偉業になるだろう」と伝えている。なお、イギリスの科学誌ネイチャーによると、望月教授は新たな数学的手法を開発し、それを駆使して証明を展開しているため「査読に時間がかかるだろう」と報道されている。

ABC予想が証明か?(2012年9月)[編集]

現代の数学に未解明のまま残された問題のうち、「最も重要」とも言われる整数の理論「ABC予想」を証明する論文を、望月新一京都大教授(43)が18日までにインターネット上で公開した。

整数論の代表的難問であり、解決に約350年かかった「フェルマーの最終定理」も、この予想を使えば一気に証明できてしまうことから、欧米のメディアも「驚異的な偉業になるだろう」と興奮気味に伝えている。

ABC予想は1985年に欧州の数学者らによって提唱された。AとBの2つの整数とこれらを足してできる新たな整数Cを考え、それぞれの素因数について成り立つ関係を分析した理論で、整数の方程式の解析では「最も重要な未解決の問題」とも言われる。

英科学誌ネイチャーによると、望月教授はまだほとんどの数学者が理解できていないような新たな数学的手法を開発し、それを駆使して証明を展開している。そのため「論文の正しさを判定する査読に時間がかかるだろう」という。一方で望月教授は過去に優れた実績を残しており、「証明は間違いないのでは」とする数学者のコメントも引用した。

望月教授が開発した手法は将来、この予想以外の整数論の問題を解く強力な道具になるとも期待されている。論文は合わせて4編で500ページあり、望月教授は自身のホームページで公開した。

16歳で米大学に入学「ABC予想」望月京大教授[編集]

ABC予想を証明する論文を完成させた望月新一京都大教授(43)は、16歳のときに米プリンストン大に飛び級で入学、19歳で同大数学科を卒業した俊英だ。平成14年に32歳で京都大の教授に就任するなど、異例ずくめの経歴を持つ。

昭和44年東京生まれ。関係者によると父親の仕事の都合で5歳のころ渡米。ほとんど米国暮らしで、平成4年に23歳で京都大助手に就任した際は日本語が苦手だったという。

専門の数論幾何で多岐にわたる業績を残し、平成17年に日本学士院が45歳以下の若手を対象に創設した学術奨励賞の第1回受賞者に選ばれた。

今回発表した500ページにわたる4編の論文は1人で書き上げた。望月さんを知る研究者は「今回の論文執筆に少なくとも10年、間断なく集中してきた。まだかなり興奮しているのではないか」と話した。

日本の理系天才5人衆[編集]

  • 岡田康志 - 医学者灘高校→東大理三。中3で理三A判定。高1で東大模試2位。高2で同模試1位。高3で同模試2位&全国模試全教科1位。灘史上最高の天才
  • 久野慎司 - 開業医。高2の時に高3の岡田を抑え東大模試1位。灘首席卒→東大理三と京大医に合格→京大医首席入学。灘史上最高の天才。
  • 副島真 - 東大生。筑駒→東大理一。3年連続数学オリンピック金賞。2009年は最高得点で金。筑駒史上最高の天才。
  • 長尾健太郎 - 数学者開成高校→東大理一→京大院理研。3年連続数オリ金賞。開成史上最高の天才。
  • 望月新一 - 数学者。19歳でプリンストン大卒。京大数理解析研教授。専門は数論幾何学、遠アーベル幾何学。筑駒史上最高の天才。

外部リンク[編集]

関連項目[編集]