歌舞伎町ビル火災

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歌舞伎町ビル火災(かぶきちょうビルかさい)は、2001年9月1日東京都新宿区歌舞伎町雑居ビル明星56ビル(みょうじょう - )」で起きた火災。44名が死亡し、日本で発生した火災としては戦後5番目の大惨事となった。多くの死傷者を出した原因は、ビル内の避難通路の確保が不十分であった為とされる。出火原因は放火とみられるが、2019年7月20日現在未確定。

概要[編集]

居合わせた客と従業員のうち、3階の19名中16名、4階の28名全員の計44名が死亡、3階から脱出した3名が負傷した。

出火地点はビル3階のゲーム麻雀店「一休」で、エレベータ付近から出火。ビル3階と4階のセクシーパブ[1]「スーパールーズ」の防火扉が開いていたため[2]、この2フロアに火炎と特に煙の回りを速めたことが、被害を拡大させる一因となった。44名全員が急性の一酸化炭素中毒で死亡したことが、それを表している。

内部で既に火災が起こっていたところに従業員の一人が何も知らず扉を開けてしまい、空気が入ってきたためバックドラフトが引き起こされた。この従業員は道路側の非常口からそのまま飛び降り、この救急要請の通報が第一報であった[3]。また、従業員二人は別の窓から屋根伝いに脱出した。3階ゲーム麻雀店で助かった3名は、事務所の窓から脱出した従業員であり、従業員という立場でありながら避難誘導しなかった。また、この際目撃証言から「4人目」の生存者がいたとされるが、この人物はその後行方をくらました。

自動火災報知器は設置されていたが、誤作動が多いために電源を切られていた。また、4階は天井を火災報知器ごと内装材で覆い隠してしまっていた。

この種の雑居ビル火災として、1973年5月28日第6ポールスタービル火災(死者1名)がある。現場が同じ歌舞伎町で、違法な内装、防災管理の不徹底などで東京消防庁から警告されていた点が類似する。

事件から10日後の9月11日アメリカ同時多発テロ事件が発生したため、事件の報道が激減した。 この日に放送される予定だったポンキッキ休止になり王様のブランチで臨時ニュース挿入された。また、この影響で日本マクドナルドCMが数日間にわたって放映を自粛した。

その後の経過[編集]

出火原因[編集]

警察・消防の検証により、出火点は3階階段踊り場にある都市ガスガスメーターボックス至近であることが特定された。ガスメーター本体はガス管から外れ、ボックス内の底面に直立した状態で発見されている。

このガスメーターの状態が問題となった。火勢によって配管をつなぐアルミ合金製の継手が溶融し、落下したと言う説が有力だが、発覚前の段階でアルミ合金が溶け出すほどの温度に達するかに疑問があり、放火犯が故意にはずしたのではないかと言う説も飛び交い、連日メディアを賑わせることになった。

また、出火時刻ごろにビルから立ち去る不審な人物があったとの目撃情報もあったが、確証はない。

この為、現在のところ出火原因は不明のままである。

管理責任[編集]

2003年2月、ビルのオーナー及びテナントの関係者など6名が消防法違反、業務上過失致死の疑いで逮捕された。

当該ビルは東京消防庁から使用禁止命令が出され、さらに犠牲者の遺族がオーナーらを相手取って提訴した損害賠償訴訟の過程で保全処分が出されたため、そのまま残されていた。2006年4月18日、和解が成立したため、保全処分が解かれ、その後解体された。また、和解金は総額10億円以上である。

2008年7月2日東京地方裁判所は、ビルオーナーら被告人5名を執行猶予付きの有罪とし、マージャン店店長のみを無罪とする判決を下した。

消防法改正[編集]

この火災を契機にして、2002年10月25日に消防法が大幅に改正された。この法改正により、ビルのオーナーなどの管理権原者は、より重大な法的責任を負うこととなり、防火管理意識を高めるきっかけになった。

火災の早期発見・報知対策の強化
自動火災報知設備の設置義務対象が従来より小規模なビルにまで拡大され、機器の設置基準も強化された。
違反是正の徹底
消防署による立入検査の時間制限撤廃や、措置命令発動時の公表、建物の使用停止命令、刑事告発などの積極発動により違反是正を徹底することとした。
罰則の強化
違反者の罰則は、従来の「懲役1年以下・罰金50万円以下」から「懲役3年以下・罰金300万円以下」に引き上げられた。
また、法人の罰則も、従来の「罰金50万円以下」から「罰金1億円以下」に引き上げられた。
防火管理の徹底
防火対象物点検報告制度が創設され、年1回[4]は有資格者(防火対象物点検資格者)による入念な点検と報告が義務づけられた。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. 一部でキャバクラと報道されているが、セクシーパブは一般的なキャバクラとは業態が異なる。セクキャバともいう。なお、朝日新聞等では飲食店と表現していた。
  2. 酒瓶やおしぼり、さらにはモップなどで階段が塞がれていたため、防火扉は作動する状態でなかった。
  3. この従業員は「お客さんが中にいる」と言って、ふらつきながら店内に戻ろうとしたところを通行人に止められている。
  4. 特例認定として、制度上3年に1回で済む場合もある。

外部リンク[編集]