都営地下鉄大江戸線

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都営地下鉄大江戸線

大江戸線(おおえどせん)は、東京都交通局が運営する鉄輪式・リニアインダクションモーター推進方式を採用した鉄道路線都営地下鉄)。鉄道要覧には12号線大江戸線と記載されている[1]

東京都練馬区光が丘駅渋谷区新宿駅を結ぶ放射部と、新宿駅から反時計回りに新宿区都庁前駅に至る環状部から構成される。環状の路線を形成しているが、山手線などとは異なり、「エンドレス循環型」運転ではなく「6の字型」運転である(運行形態については後述。他の環状運転路線の例は「環状運転」参照)。なお、起点は都庁前、終点は光が丘である。

路線名の由来は東京の古称である江戸の雅名「大江戸」から。車体および路線図や乗り換え案内で使用されるラインカラーは「マゼンタ」 、路線記号はEE

概要[編集]

この路線は、1968年昭和43年)の都市交通審議会答申第10号において、東京12号線は「新宿方面より春日町(文京区)、上野、深川及び月島の各方面を経て麻布方面に至る路線」として示された。その後、1972年(昭和47年)の答申第15号では新宿方面 - 麻布方面を環状線とし、新宿から新宿に戻り、さらに新宿 - 高松(練馬区)間および東京8号線から削除した護国寺 - 目白間を加える形に変更された。なお、同時に高松町(現:光が丘ニュータウン付近)から大泉方面への延伸も検討されている。このうち、放射部にあたる光が丘 - 練馬 - 都庁前 - 新宿間が「都営12号線」として開業し、後に環状部延伸開業時に「大江戸線」と改称している。

建設費を削減するため、大阪市営地下鉄長堀鶴見緑地線に次いで日本で2番目に鉄輪式リニアモーターミニ地下鉄が採用された。後発で建設された地下鉄路線のため、既存の路線より深部を走り、全般的に駅ホームがかなり深いところに設置されている。特に2層構造の六本木駅は下部の内回り1番線ホームが地下 42 m と、地下鉄駅としては日本で最も低い場所に位置する。また乗り換え駅では既存路線の駅からかなり離れた場所に位置することも多く、地上経由の乗り換えを余儀なくされる駅もある。都営地下鉄で初めてワンマン運転を実施した。単一の地下鉄路線としては日本最長 (40.7 km) であり、全線がトンネル(地下区間)構造のため、連続した地下鉄トンネルとしても日本最長である。

日本の地下鉄では最深部を走行しており、耐震性に富み、災害時には救助作業の大動脈として利用されることになっている。そのため、非常用の備蓄倉庫麻布十番清澄白河の両駅に設置されている。

利用状況[編集]

2012年度の一日平均利用者数は825,666人で、都営地下鉄4線の中では最も多い[2]都心回帰の追い風を受けて、2005年度から2008年度まで増加傾向が続いた。2009年度は不況の影響で、2011年度は東日本大震災で減少したものの、中長期的には増加傾向で推移している。

環状部を中心に沿線の大型プロジェクトや大規模マンションの着工が相次いでいることなどから、今後も長期的には増加傾向が続くと状況が予想される[3]

ラッシュピーク時の混雑率は、門前仲町月島間で 178%(輸送力14,820人/輸送人員26,385人、2007年度)となっている。

経営状況[編集]

2012年度の大江戸線単独での純損失は102億9611万1千円[4]である。約431億円の収益に対して費用が約534億円かかっており、特に約205億円の減価償却費が大きな負担となっている。純損失の額は2006年度には約156億円、2007年度は約124億円と改善されており、その後数年は横ばい傾向にあったが、2012年度は前年度からの大幅な改善が見られた。乗車料収入についても2009年度は約370億円、2010年度は約369億円、2011年度は約361億円と微減傾向にあったが、2012年度は約380億円と増加に転じた。

路線データ[編集]

  • 路線距離(営業キロ):全長 40.7 km
    • 光が丘 - 新宿間(放射部) 12.9 km
    • 新宿 - 都庁前間(環状部) 27.8 km
  • 軌間:1435 mm
  • 駅数:38駅(起終点駅含む。ただし都庁前駅は1駅として数える。日本の地下鉄線では駅数が最も多い)
  • 複線区間:全線
  • 電化区間:全線(直流 1500 V、架空電車線方式、車上一次鉄輪式リニアモーター方式)
  • 閉塞方式:車内信号閉塞式
  • 列車無線方式:空間波無線 (SR) 方式
  • 最高速度:70 km/h
  • 表定速度:内回り 30.1 km/h・外回り 30.4 km/h
  • 全線所要時分:内回り81分10秒・外回り80分25秒
  • 車両基地木場車両検修場(木場車庫・高松車庫)

内回りは光が丘 - 都庁前 - 大門 - 両国 - 都庁前着まで。外回りは都庁前 - 両国 - 大門 - 都庁前 - 光が丘着まで[5]

この路線の建設費用は、放射部で4,034億円、環状部で9,886億円と非常に高額で、全線では1兆3,920億円にのぼる。

沿革[編集]

建設までの経緯[編集]

前述した答申第15号に基づき、1974年(昭和49年)8月に全線(現在の光が丘 - 都庁前間全線・放射部及び環状部)の地方鉄道敷設免許を取得し、1985年(昭和60年)頃の全線開業を目標に建設計画を進めていた。また、この時点では新宿線と同様の従来車両規格(20 m 車両による10両編成)で建設することを計画していた。

しかし、1973年(昭和48年)のオイルショックによる社会情勢の急変、また交通局の財政悪化から、建設計画が一時凍結された。

その後、1978年(昭和53年)5月に東京都知事諮問機関である東京都交通問題対策会議において地下鉄12号線を「再度交通需要の予測を行い、路線立地、交通機関の構造、経済性、補助制度等を検討のうえ建設されるべきである」と提言された。

さらにグラントハイツ跡地(光が丘地区)に大規模住宅団地建設をはじめとした再開発を行うことが決定され、交通網整備の必要性が高まった。そのため、東京都が1982年(昭和57年)12月に策定した「東京都長期計画」の10ヵ年計画において、地下鉄12号線を建設することが決定された。特に、この時点で需要の見直しや建設費用の見直しを行い、小型地下鉄車両(16.5m車両による8両編成)によるトンネル断面の縮小、駅設備を縮小する方針とすることを決定した。これは大江戸線着工前までに大江戸線以外で地下鉄の延伸開業が相次いでいたことも影響している。

また、環状部区間の建設は早期の建設、全線同時開業を行う必要性があることから、資金面などにおいて柔軟な対応ができる第三セクター方式で建設することとされた。そして、1988年(昭和63年)7月に東京都地下鉄建設が設立され、第3種鉄道事業者として環状部の建設を行った。同社が建設・製造した鉄道施設・車両は東京都交通局が長期分割支払いで譲受し、放射部と一体で経営を行うこととされた。

建設時のルートは現在のルートと若干違い、西新宿五丁目、汐留、築地市場、飯田橋を経由しておらず、都庁前駅もL字型2層構造でホームを建設する計画があった。ルート見直しは大型車を使用する必要性がなくなり、さらに建設費低減の必要があったためでもある。

環状ルートの建設も検討されたが、これを実現するためには新宿新宿西口を結ぶ新たな線路の建設と、2駅のうち1駅を2面化する工事を行わなければならなかった。しかし、両駅の地上部は道路幅が狭くビルが密集し、2面ホームの設置が難しく、難工事による費用と期間の膨大が懸念され、さらに新宿駅前後の環状方向の旅客流動は少ないと見込まれ、費用対効果を検証した結果、6の字型ルートとなった。

リニアモーター方式の採用[編集]

1986年(昭和61年)4月に本路線用の車両である12-000形試作車が製作され、浅草線馬込検車場(当時)において新しい技術の試験も含めた、小断面地下鉄としての走行試験を実施した。この車両は都営地下鉄で初めてのVVVFインバータ制御方式を採用し、主電動機は小型の誘導電動機を使用した。また、同検車場内では走行速度が制限されるため、浅草線の終電後に西馬込 - 戸越間で高速走行試験を実施した[6]

その後、1987年(昭和62年)6月には地下鉄12号線建設推進本部が「現在開発が進んでいるリニアモーター車両のメリットも大きいので、1987年3月に開始されたリニアモーター車両の試験状況および車両技術の動向を踏まえ、今後車両の駆動方式(リニアモーター方式・回転形モーター方式)について 放射部車両の製作時期までに決定する。」とされた。これを受けて東京都交通局では1988年(昭和63年)に12-000形試作車をリニアモーター車両へ改造し、同年4月から馬込検車場においてリニアモーター方式の走行試験を開始した。この結果を踏まえ、1988年12月21日に地下鉄12号線全線にリニアモーター駆動方式を採用することを決定した。

路線名決定までの経緯[編集]

1991年(平成3年)12月の開業当初は都市計画路線名の「12号線」のままで営業を行っていたが、1999年(平成11年)8月初旬、2000年(平成12年)4月20日の環状部一部区間(新宿 - 国立競技場間)の先行開業を発表するとともに、プロ野球セントラル・リーグ会長(当時)の高原須美子を委員長とする都営地下鉄12号線路線名称選考委員会によって路線名の公募が行われた。

その結果、同年11月末に、応募が多かった候補の一つである「東京環状線」(愛称として「ゆめもぐら」)が第一候補に挙げられたが、東京都知事(当時)の石原慎太郎は「寝てても何回まわっても同じ所に戻ってくるのを環状線って言うんだよ」「紛らわしくて山手線(JR東日本)とか大阪環状線(JR西日本)を使っている人に迷惑」などとして難色を示し、再選考を指示するとともに、「俺は『大江戸線』なんてのがいいとおもう」と第2位得票の案を推したため、交通局は委員会に陳謝の上、愛称案であった「ゆめもぐら」も含め選考を白紙に戻した上で改めて選考し直した結果、同年12月15日の委員会で大多数の支持を得て「大江戸線」に決定した。

委員会では当初、新宿などは江戸の範囲の外部にあたるとして議論があったが、交通局では、路線がこれを囲むように走ることと、「大」を付けることにより地理的、経済的、文化的な広がりを表現できるとして委員会を説得し、決定にこぎつけた。なお、最も多かった名称は「都庁線」だった。

年表[編集]

  • 1972年昭和47年)
    • 3月1日 都市交通審議会の答申第15号で答申される。
    • 10月24日 西新宿(現・都庁前) - 高松町(現・光が丘)間全線の地方鉄道敷設免許を申請。
  • 1974年(昭和49年)8月30日 西新宿 - 高松町間全線の地方鉄道敷設免許を取得。
  • 1985年(昭和60年)7月 運輸政策審議会答申第7号で整備計画路線に。
  • 1986年(昭和61年)
    • 4月18日 本路線用の試作車12-000形が落成。同車は馬込検車場(当時)に搬入され、各種試験が実施される。
    • 6月1日 光が丘 - 練馬間の建設工事に着工。
    • 6月30日 本路線のラインカラーが「マゼンタ」に決定される。
  • 1988年(昭和63年)
  • 1989年平成元年)
    • 3月30日 東京都地下鉄建設が新宿 - 新宿西口間の第3種鉄道事業免許を申請。
    • 5月31日 東京都地下鉄建設が新宿 - 新宿西口間の第3種鉄道事業免許を取得。
  • 1990年(平成2年)
    • 8月1日 新宿 - 練馬間の建設工事に着手。
    • 9月17日 光が丘検修所(当時)において12-000形量産車の搬入を開始。
    • 12月1日 光が丘 - 練馬間で本線試運転に伴い、締結式と入線式を実施。
  • 1991年(平成3年)
    • 12月10日 都営12号線として光が丘 - 練馬間が開業。
    • 12月31日 大晦日→元日の終夜運転を開始。他の都営地下鉄3線は一時期にそれを中止していたものの、大江戸線では開業当初から毎年行っている。
  • 1992年(平成4年)2月1日 東京都交通局の第三セクターである東京都地下鉄建設(株)が環状部の建設を開始。
  • 1997年(平成9年)
    • 3月17日 新宿延伸開業用にマイナーチェンジした12-000形3次車の搬入を開始。
    • 5月25日 12-000形3次車営業運転を開始。合わせて全列車を8両編成化。
    • 6月17日 練馬 - 新宿間のレール締結式を中野坂上駅で実施。
    • 12月19日 練馬 - 新宿間が開業。
  • 1999年(平成11年)
    • 2月22日 木場車両検修場へ12-000形4次車の搬入を開始。以後、2000年2月17日まで約1年かけて行われた。
    • 9月2日 新宿 - 国立競技場間のレール締結式を実施。
    • 12月15日 路線愛称名を「大江戸線」にすることを決定する。
  • 2000年(平成12年)
    • 1月 国立競技場 - 都庁前間のレール締結式を実施。
    • 4月20日 新宿 - 国立競技場間が開業。同時に路線名を大江戸線と改称。
    • 11月30日 環状部の施設を建設した東京都地下鉄建設(株)から東京都交通局へ譲渡。
    • 12月12日 国立競技場 - 六本木 - 大門 - 両国 - 飯田橋 - 都庁前間が開通し全線が開通。ただし汐留駅は駅周辺が再開発中でアクセス道路が未開通だったため開業を見送り(汐留信号所〈2代〉として使用)、全列車が通過していた。
  • 2002年(平成14年)11月2日 汐留信号所(2代)を駅に変更して汐留駅開業。車内放送広告を開始[7]
  • 2006年(平成18年)4月1日 汐留連絡線が開通。E5000形の運用を開始。
  • 2007年(平成19年)10月23日 変電設備の不具合による停電で光が丘 - 国立競技場間が約3時間にわたり運転中止。練馬 - 新江古田間で電車が立往生(詳細は後述)。
  • 2008年(平成20年)4月1日 東京都地下鉄建設が東京都交通局へ環状部(新宿 - 清澄白河 - 都庁前)の譲渡を完了し、第3種鉄道事業免許を失効。全線が東京都交通局の第1種鉄道事業免許のみに基づく区間となる。
  • 2011年(平成23年)
    • 3月11日 東北地方太平洋沖地震の影響で一時全線で運行を見合わせるものの、当日中に運転再開。
    • 4月23日 清澄白河駅で当路線初となるホームドアの運用を開始。
  • 2012年(平成24年)3月17日 ダイヤ改正により、日中時間帯の運転間隔を6分間隔に改める。
  • 2013年(平成25年)4月27日 西新宿五丁目駅でホームドアの運用を開始し、全駅でのホームドア整備が完了[8]
  • 2014年(平成26年)2月1日 大江戸線においても、この日全駅の接近放送が更新。これに伴い、4路線の接近放送が更新された。

車両[編集]

12-000形(試作車)
12-000形
12-600形

以下の車両が使用されている。開業前に試作車が1986年に製造され、浅草線馬込検車場(当時)で各種試験が実施された(前記沿革表を参照)。その後、1990年より量産車が製造された。

  • 12-000形 - 1991年の初期開業時から使用
  • 12-600形 - 2012年2月23日から営業運転を開始した[9]

大江戸線の車両は、2006年4月より浅草線の馬込車両検修場で検査・修繕を行っているが、リニアモータ方式ではない浅草線を自走できないことから、2005年川崎重工で製造された電気機関車E5000形によって牽引されている。このため、馬込車両検修場まで大江戸線の12-000形と12-600形を移動させるための連絡線汐留駅構内から浅草線の新橋駅大門駅の間付近まで設けられている。

運行形態[編集]

この路線では全線で開業当初よりワンマン運転を実施している。このため、保安装置にATC装置を使用し、列車の自動運転機能を有するATO装置を使用している。

本路線では車上監視方式を採用しており、8両編成分137mのホームを列車のモニター画面で運転士が監視をしている。列車停止時の監視ならびに列車発車時においては列車最後部がホームを抜けるまでの間、運転士がホーム監視モニター画面でホーム上を監視し、触車事故などの場合には運転台非常停止スイッチで列車を停止させる方式を採用している。なお、2013年4月27日には全駅でホームドアの整備が完了した[8](「ホームドア(ホームゲート)」節を参照)。

環状運転をしているように思われるが実際は通常の複線路線と同じ運行形態をしており、都庁前駅 - 飯田橋駅 - 両国駅 - 大門駅 - 六本木駅 - 都庁前駅 - 光が丘駅を往復運転(6の字型運転)する。運転方向の呼び方は「内回り」「外回り」という(定期券の経路にも表示)が、各駅の案内上は方面呼称となっている。

2005年末までは内回り区間について光が丘 - 都庁前間を「六本木・大門方面行」、新宿 - 新宿西口間を「(○○経由)都庁前行」、外回り区間について新宿西口 - 練馬春日町間を「(○○経由)光が丘行」と呼称していたが、現在は内回り区間が光が丘 - 築地市場間では「○○・○○方面行き」、勝どき - 新宿西口間では「(○○経由)都庁前行き」、外回り区間が都庁前 - 蔵前間では「○○・○○方面行き」、両国 - 練馬春日町間では「(○○経由)光が丘行き」に呼称を変更している。○○に入る駅は都庁前・六本木・大門・春日・両国・飯田橋から2駅(ただし春日は大門 - 森下間の内回りのみ、都庁前は大門 - 新宿間の外回りのみ)。

朝夕ラッシュ時は最短3分間隔で運転されており、

  • 都庁前駅 - 飯田橋駅 - 両国駅 - 清澄白河駅
  • 清澄白河駅 - 大門駅 - 六本木駅 - 都庁前駅 - 光が丘駅

という区間運転列車が多数存在している。これらのほとんどは、清澄白河駅東側にある木場車庫の入出庫の都合で設定された列車である。また、同駅以外にも汐留新御徒町の両駅に留置線があり、練馬国立競技場赤羽橋牛込神楽坂などの駅に非常用の渡り線が設けられている。この関係で早朝・夜間には、

  • 都庁前駅→六本木駅→大門駅→両国駅→飯田橋駅→都庁前駅(朝のみ)
  • 汐留駅 - 大門駅 - 六本木駅 - 都庁前駅 - 光が丘駅
  • 都庁前駅 - 飯田橋駅 - 新御徒町駅
  • 光が丘駅→都庁前駅(深夜のみ)

といった区間運転列車が少数ながら存在している。

日中は全線往復運転が基本であり、2012年3月17日のダイヤ改正以後は6分間隔で運転されている。同ダイヤ改正以前は180分間に29本運転(6分12秒間隔)であった。

また、終日を通して都庁前駅では六本木・大門方面の列車から飯田橋駅方面の列車へ、および飯田橋駅方面発都庁前行の列車から光が丘行列車への乗り継ぎ時間が少なくなるように設定されている。

他の都営地下鉄路線と同様に、沿線の花火大会や国立競技場でのサッカーの試合やコンサートなどの大規模イベントが行われる際に臨時列車が設定されることがある。

駅一覧[編集]

全駅が東京都に所在している。

駅番号 駅名 駅間キロ 累計キロ 接続路線 所在地
E-28 都庁前駅 - 0.0 都営地下鉄:E 大江戸線(光が丘方面・六本木方面) 新宿区
E-01 新宿西口駅 0.8 0.8 東京地下鉄M 丸ノ内線新宿駅:M-08)
東日本旅客鉄道埼京線湘南新宿ライン中央線(快速)中央・総武線(各駅停車)山手線(新宿駅)
京王電鉄京王線(新宿駅:KO01)、京王新線新線新宿駅:KO01)
小田急電鉄小田原線(新宿駅:OH01)
西武鉄道新宿線西武新宿駅:SS01)
E-02 東新宿駅 1.4 2.2 東京地下鉄:F 副都心線 (F-12)
E-03 若松河田駅 1.0 3.2  
E-04 牛込柳町駅 0.6 3.8  
E-05 牛込神楽坂駅 1.0 4.8  
E-06 飯田橋駅 1.0 5.8 東京地下鉄:T 東西線 (T-06) ・Y 有楽町線 (Y-13) ・N 南北線 (N-10)
東日本旅客鉄道:中央・総武線(各駅停車)
文京区
E-07 春日駅
(文京シビックセンター前)
1.0 6.8 都営地下鉄:I 三田線 (I-12)
東京地下鉄:M 丸ノ内線(後楽園駅:M-22)・N 南北線(後楽園駅:N-11)
E-08 本郷三丁目駅 0.8 7.6 東京地下鉄:M 丸ノ内線 (M-21)[* 1]
E-09 上野御徒町駅 1.1 8.7 東京地下鉄:G 銀座線上野広小路駅:G-15)、H 日比谷線仲御徒町駅:H-16)
東日本旅客鉄道:山手線・京浜東北線御徒町駅
台東区
E-10 新御徒町駅 0.8 9.5 首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス (02)
E-11 蔵前駅 1.0 10.5 都営地下鉄:A 浅草線 (A-17)[* 1]
E-12 両国駅
(江戸東京博物館前)
1.2 11.7 東日本旅客鉄道:総武線(各駅停車) 墨田区
E-13 森下駅 1.0 12.7 都営地下鉄:S 新宿線 (S-11) 江東区
E-14 清澄白河駅 0.6 13.3 東京地下鉄:Z 半蔵門線 (Z-11)
E-15 門前仲町駅 1.2 14.5 東京地下鉄:T 東西線 (T-12)
E-16 月島駅 1.4 15.9 東京地下鉄:Y 有楽町線 (Y-21) 中央区
E-17 勝どき駅 0.8 16.7  
E-18 築地市場駅 1.5 18.2  
E-19 汐留駅
(シオサイト)
0.9 19.1 ゆりかもめ東京臨海新交通臨海線 (U-02) 港区
E-20 大門駅
(浜松町)
0.9 20.0 都営地下鉄:A 浅草線 (A-09)
東日本旅客鉄道:山手線・京浜東北線(浜松町駅
東京モノレール東京モノレール羽田空港線モノレール浜松町駅
E-21 赤羽橋駅 1.3 21.3  
E-22 麻布十番駅 0.8 22.1 東京地下鉄:N 南北線 (N-04)
E-23 六本木駅 1.1 23.2 東京地下鉄:H 日比谷線 (H-04)
E-24 青山一丁目駅 1.3 24.5 東京地下鉄:G 銀座線 (G-04) ・Z 半蔵門線 (Z-03)
E-25 国立競技場駅
(東京体育館前)
1.2 25.7 東日本旅客鉄道:中央・総武線(各駅停車)(千駄ケ谷駅[* 2] 新宿区
E-26 代々木駅 1.5 27.2 東日本旅客鉄道:中央・総武線(各駅停車)・山手線 渋谷区
E-27 新宿駅 0.6 27.8 都営地下鉄:S 新宿線 (S-01)
東日本旅客鉄道:埼京線・湘南新宿ライン・中央線(快速)・中央・総武線(各駅停車)・山手線
京王電鉄:京王線(新宿駅:KO01)・京王新線(新線新宿駅:KO01)
小田急電鉄:小田原線(新宿駅:OH01)

西武新宿線の西武新宿駅および丸ノ内線の新宿駅とは連絡業務を行っていない。
E-28 都庁前駅 0.8 28.6 都営地下鉄:E 大江戸線(飯田橋・両国方面) 新宿区
E-29 西新宿五丁目駅
(清水橋)
0.8 29.4  
E-30 中野坂上駅 1.2 30.6 東京地下鉄:M 丸ノ内線(本線・方南町支線) (M-06) 中野区
E-31 東中野駅 1.0 31.6 東日本旅客鉄道:中央・総武線(各駅停車)
E-32 中井駅 0.8 32.4 西武鉄道:新宿線(SS04) 新宿区
E-33 落合南長崎駅 1.3 33.7  
E-34 新江古田駅 1.6 35.3   中野区
E-35 練馬駅 1.6 36.9 西武鉄道:池袋線西武有楽町線豊島線 (SI06) 練馬区
E-36 豊島園駅 0.9 37.8 西武鉄道:豊島線 (SI39)[* 2]
E-37 練馬春日町駅 1.5 39.3  
E-38 光が丘駅 1.4 40.7  
  1. 1.0 1.1 乗り換えには一旦地上に出る必要がある
  2. 2.0 2.1 連絡業務は行っていない
  • 月島駅とその隣の門前仲町駅の間の付近にJR京葉線越中島駅があるが、大江戸線には越中島駅はない。
  • 大江戸線には複数の周辺地名を組み合わせた複合駅名が都営地下鉄の他の路線と比較して多く存在しており、放射部に1駅(落合南長崎駅)、環状部に5駅(若松河田駅・牛込柳町駅・牛込神楽坂駅・上野御徒町駅・清澄白河駅)ある。
  • 大江戸線は東京地下鉄千代田線をのぞくすべての路線と乗り換えが可能である。千代田線とは本郷三丁目 - 上野御徒町間で交差しているが、その箇所に駅はなく、至近の湯島駅とは地下通路で結ばれておらず連絡運輸も行っていない。かつては接続駅とすることも検討されていたが断念した(「将来の計画」節も参照)。また青山一丁目 - 六本木間でも千代田線と交差し、乃木坂駅があるが、大江戸線には乃木坂駅はない。

駅デザイン[編集]

この路線の各駅は、利用者にとって魅力あるものとするため、改札口付近に「ゆとりの空間」を設置するとともに、地域の特色を活かしたデザインを随所に取り入れている。なお、都庁前と新宿をのぞく環状部26駅については、公募プロボーザル方式により駅デザイン(主に内装)を土木業者とは別の建築などの設計事務所に委託した。

コストとの兼ね合いで駅全体の設計そのものにはデザイナーが関わっていないものの、地下部のデザインに全面的に関わることになった試みとして評価されている。これにより、2001年には一部の駅がグッドデザイン賞建築・環境デザイン部門の金賞、インター・イントラ スペースデザイン セレクションの大賞および土木学会技術賞を受賞している。

駅の深さ[編集]

この路線では、都営地下鉄の中でも地上から深い駅が多い。

都営地下鉄全駅の中では深い順に、

  1. 六本木駅(1番線:42.3 m、2番線:32.8 m)
  2. 新宿駅 (36.6 m)
  3. 中井駅 (35.5 m)
  4. 東中野駅 (34.2 m)
  5. 中野坂上駅 (33.4 m)
  6. 麻布十番駅 (32.5 m)
  7. 飯田橋駅 (32.1 m)
  8. 三田線白金高輪駅 (28.7 m)
  9. 国立競技場駅 (28.4 m)
  10. 三田線白金台駅 (27.2 m)

となる。

なお、東京地下鉄の駅を含めると、

  1. 六本木駅(1番線:42.3 m、2番線:32.8 m)
  2. 千代田線国会議事堂前駅 (37.9 m)
  3. 南北線後楽園駅 (37.5 m)
  4. 新宿駅 (36.6 m)
  5. 半蔵門線永田町駅 (36.0 m)
  6. 中井駅 (35.5 m)
  7. 副都心線東新宿駅 (B線:35.4 m、A線:29.2 m)
  8. 東中野駅 (34.2 m)
  9. 副都心線雑司が谷駅 (33.8 m)
  10. 中野坂上駅 (33.4 m)

となり、大江戸線の駅が5駅もランクインしている。

なお、東京地下鉄との共用駅である白金高輪駅と白金台駅の深さは、東京地下鉄と東京都交通局の資料では数値が異なる。本項目では東京都交通局の資料(「都営交通のあらまし2010」)から記載した。

ホームドア(ホームゲート)[編集]

ホームドア(ホームゲート)は、2011年4月23日清澄白河駅での供用開始を皮切りに順次整備が進められ[10]、2013年4月27日には西新宿五丁目駅での供用開始により大江戸線全駅でのホームドア利用が開始された。

ホームドアの導入は三田線に次いで2路線目となる。大江戸線はホームが小さいため、設置位置に余裕がなく1両目と8両目をのぞきホーム端ギリギリの位置に設置されている(ホーム幅が大きい駅では余裕を持って設置されている)。普通のホームドアにはないLED式表示装置で電車の接近・発車を表示し、発車時にはメロディも流れている。発車時のメロディーは、運転席にある注意喚起放送ボタンを押すことで鳴る仕組みになっている。列車緊急停止ボタンはホームドアの上部に設置している。

大江戸線のホームドアの設置は、車両の規格がほぼ同じであるため、車両によって扉の設置位置が変わらず、開閉部分を余分に取る必要がなく、ホーム端のフェンスの切断等のホームの改造は最小限で済む。東京地下鉄のホームドアと比較すると、電車が到着した後にホームドアを開いてから車両の扉を開けるシステムとは異なり、車両のドアを開けると同時にホームドアを開けることができるシステムを採用している。そのため、大江戸線のホームにはホームドア専用の信号があり、「ホームドア」という緑のランプが点灯してから開けることでホームドアと同時に車両のドアを開けることが可能となっている。ほかにもホームドア専用の信号には、駅員がリモコンを操作することによって発車抑止のランプを表示することが可能で、これは車いす等を車両から降ろす時に利用されている。また都庁前駅の降車ホームでは、ホームドア設置に伴い駅員による乗客の降車確認終了後、アナウンスとともに、信号に戸閉表示を行っている。

将来の計画[編集]

  • 2007年2月15日の都議会一般質問において、松澤俊夫交通局長が輸送力増強のために車両の増備や信号システムの改良による列車の増発を検討していることを明らかにした。2010年度に2編成の車両増備を計画していたが、同年2月22日に発表された「東京都交通局次期経営計画 ステップアップ2010」では2011年度に訂正され[11]、その後、12-600形2編成が製造された。
  • 光が丘駅から先には、大泉学園町埼玉県新座市を経由してJR武蔵野線東所沢駅までの延伸構想がある(都市高速鉄道12号線延伸促進協議会による)[12]。このうち、光が丘 - 大泉学園町間については2000年運輸政策審議会答申第18号にて「2015年までに整備着手することが適当である路線」、大泉学園町 - 東所沢間については同じく「今後整備について検討すべき路線」として位置付けられている。練馬区内においては、地下鉄の導入区間であり、途中に2駅が設置される予定の都市計画道路補助線街路第230号が先行して整備されることとなっている。
  • 大泉学園町から南下して世田谷区を経由し都庁前駅に戻るという8の字型運転の構想がされたこともあり、都庁前駅の引き上げ線は世田谷区方面に延伸できる構造になっているが、正式な計画として採用されるには至っていない。
  • 2011年2月4日東京地下鉄(東京メトロ)と都営地下鉄(東京都交通局)の経営一元化をめぐる国と東京都の協議会で東京地下鉄千代田線湯島駅上野御徒町駅を乗換接続駅に指定することを検討しているとされた。しかし、同年12月に行われた会議において、接続駅への指定を見送った。
  • 勝どき駅での利用客増加に伴い、出口を開業後に増設したが、さらなる混雑緩和のため、1面2線から2面2線にホームを変更する計画がある。

その他[編集]

旅客案内[編集]

  • 開業当初より、他の都営地下鉄の路線にはない、黒背景に緑字や白字等の独自の案内サインが設置された。ただし、2005年頃より順次他の路線と同様に新サインへの更新が進められており、現在は開業当初の案内サインは減少している。
  • 現在、都営地下鉄全線で使われている接近メロディを最初に導入した路線である。全線開業時点では、12号線時代に開業した光が丘 - 新宿および新宿西口の各駅では初期型の、他の路線で使われているものよりも音が低い初期型が使われていた。2013年時点では初期型のものが使われているのは練馬 - 中野坂上の各駅のみとなっていたが、後述の2014年2月1日の接近放送の更新にあわせ、標準型の接近メロディに更新され、初期型の接近メロディは聞けなくなった。
  • 汐留駅開業時より、発車案内表示器に駅名を表示するとともにその駅の最寄り施設案内を放送している。ただし、放送する施設は度々更新している。
  • 一部の駅では、列車のホーム到着直前に車内アナウンスにて、到着駅名とともに駅周辺の企業、店舗などの広告アナウンスが入る。
  • 2014年2月1日より、大江戸線全駅にて接近放送が更新され、2013年に三田線、浅草線、新宿線で更新された、新接近放送と同じアナウンサーが収録した放送になった。

勾配[編集]

  • 本路線は鉄輪式リニアの特性を活かし、放射部は最急勾配55‰、最小曲線半径100mを基準として建設された。環状部については、最急勾配47‰、最小曲線半径100mとなっている[13]。工事認可時の国土交通省による普通鉄道構造規則では、リニアインダクションモーター推進方式による列車のみ運転する線路の勾配は最大で60‰と定められていたため、基準の範囲内となっている[14]

トラブル[編集]

  • 2007年10月23日停電事故が発生し、大幅にダイヤが乱れた。これは、当該区間である練馬 - 中井間においては練馬と中井の変電所から電気を送っていたが、点検時に片方の回路においてスイッチを元に戻すことを失念していた結果、朝ラッシュ時の運転本数増加に伴い、もう一方の回路への負荷が過大となり電流が遮断されたためである[15]

イベント[編集]

脚注[編集]

  1. 東京都交通局告示 東京都地下高速電車の路線の名称及び区間」では「大江戸線」と定められている。
  2. 各駅乗降人員一覧(東京都交通局)
  3. 大江戸線環状部及び三田線延伸部の事後評価の結果について」 東京都交通局、2006年3月24日。
  4. 平成24年度東京都高速電車事業会計決算審査意見書PDF (東京都監査事務局)
  5. 東京都交通局発行「都営交通のあらまし 2008」参照。
  6. 東京都交通局「大江戸線放射部建設史」参照。
  7. 2002年11月29日に開催の東京都議会公営企業委員会に出席した東京都交通局・江連参事の答弁
  8. 8.0 8.1 都営大江戸線全38駅のホームドア整備完了 - 東京都交通局、2013年4月26日。
  9. 交通新聞社「鉄道ダイヤ情報」2012年4月号DJ NEWS FILE「東京都交通局12-600形(大江戸線)」参照。
  10. 都営大江戸線ホームドア使用開始について(報道発表) - 東京都交通局、2011年4月18日。
  11. 東京都交通局次期経営計画 ステップアップ2010PDF の53ページ目
  12. 新座市役所公式サイト-都市高速鉄道12号線の延伸
  13. 『鉄道ピクトリアル』2000年4月号
  14. 2002年3月31日以降は新鉄道技術省令の解釈基準に同等の性能規定が存在する。
  15. 都営大江戸線における停電事故について都営大江戸線における停電事故について<続報> 東京都交通局 2007年10月23日


参考文献[編集]

  • 東京都交通局「東京都交通局80年史」(1992年発行)
  • 東京都交通局「東京都交通局90年史」(2003年発行)
  • 東京都交通局「大江戸線放射部建設史」(2003年発行)
  • 鉄道図書刊行会鉄道ピクトリアル
    • 2001年7月号臨時増刊「東京都営地下鉄」
  • 東京都交通局発行「都営交通のあらまし 2008」

関連項目[編集]

外部リンク[編集]