CFSコーポレーション

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株式会社CFSコーポレーション(シーエフエスコーポレーション)は、イオングループの傘下で静岡県神奈川県を地盤としたドラッグストアを展開する企業である。本部機能を神奈川県横浜市港北区新横浜2-3-19に置く。本店所在地は静岡県三島市広小路町13-4。

概要[編集]

横浜市に本部を置くドラッグストア「ハックイシダ」と三島市に本部を置くスーパーマーケット「キミサワ」が、1993年平成5年)8月合併して「ハックキミサワ」となり、2003年(平成15年)8月に現社名となる。

CFSとは、Customer(顧客)、First(第一)、Stores(店舗)の略である。ただ、買い物客にとっては、CFSの名を使うよりも「HAC」若しくは「KIMISAWA(キミサワ)」で通じてしまうことが多い。
「キミサワ」の名は、薬剤部門の旧社(店)名に「キミサワ薬局」があった(→これらの店舗の一部は後に「ハックドラッグ」に名称を変更)ことや、スーパーマーケット「スーパーキミサワ」があるためである。なお、本店(登記上の本店所在地)のある三島市やその周辺で、「キミサワ」と言えば、年代にもよるが「薬局」若しくは「スーパー」と言うほど有名である。「キミサワ」の名は、創業者の姓、および創業者が商売を始めた場所の名前(かつて君沢郡(きみさわぐん・きみさわのこおり)と呼ばれていた場所)に由来する。

ちなみに、ここで記述している「本店」(登記上の本店所在地)は、三島広小路駅の南隣にある踏切から近い。建物屋上に時計があるが、「CFSコーポレーション」の看板が設置されている。

2000年(平成12年)4月にイオンと業務・資本提携を結び、2010年(平成22年)には関係がより強化され、同社の子会社となり、同グループのH&BC事業分野の中核会社として指名されているが、その過程には紆余曲折があった。業務・資本提携問題の項を参照のこと。なお、スーパーマーケット事業は2010年(平成22年)8月21日付でイオンの完全子会社であるイオンキミサワへ継承され、さらに、2013年(平成25年)3月1日にマックスバリュ東海へ合併された。

沿革[編集]

  • 1923年大正12年)7月 - イシダ創業者の石田初太郎が、個人営業の工業薬品等の小売店を神奈川県横浜市南区横浜橋通商店街にて創業。
  • 1926年(大正15年)9月 - キミサワ創業者の君澤安が、個人営業の薬局を静岡県三島市広小路町にて創業。
  • 1947年昭和22年)9月 - 君澤安の妻・君澤キシノが営業を継承して、君澤薬業株式会社を設立。
  • 1949年(昭和24年)11月 - 有限会社石田薬店を設立。
  • 1955年(昭和30年)12月 - 有限会社石田薬店から有限会社イシダ薬局に商号変更。
  • 1957年(昭和32年)9月 - 君澤薬業株式会社から株式会社君澤薬局に商号変更。
  • 1964年(昭和39年)11月 - 有限会社イシダ薬局が薬局のチェーン展開開始。
  • 1965年(昭和40年)9月 - 株式会社君澤薬局がドラッグストア店舗の運営開始。
  • 1966年(昭和41年)8月 - 有限会社イシダ薬局が株式会社に組織変更し、株式会社イシダに商号変更。
  • 1967年(昭和42年)8月 - 株式会社君澤薬局がスーパーマーケットのチェーン展開を開始。
  • 1968年(昭和43年)8月 - 小港薬品株式会社を設立。同社が株式会社イシダの営業を承継。
  • 1970年(昭和45年)8月 - 小港薬品株式会社から株式会社クスリのイシダに商号変更。
  • 1972年(昭和47年)9月 - 株式会社君澤薬局から株式会社キミサワに商号変更。
  • 1976年(昭和51年)9月 - 株式会社クスリのイシダがドラッグストアのチェーン展開開始。
日本初の大型ドラッグストアを横浜市磯子区杉田に開店。
  • 1979年(昭和54年)2月 - 株式会社クスリのイシダから株式会社ハックイシダに商号変更。
  • 1988年(昭和63年)12月 - 名古屋証券取引所市場第二部に株式上場。
  • 1989年平成元年)9月 - 株式会社キミサワが調剤薬局のチェーン展開を開始。
  • 1993年(平成5年)8月21日 - 株式会社キミサワが株式会社ハックイシダと合併し(存続会社は株式会社キミサワ)、株式会社ハックキミサワに商号変更。
  • 1996年(平成8年)11月 - 東京証券取引所市場第二部に株式上場。
  • 1997年(平成9年)8月 - 東京証券取引所・名古屋証券取引所の市場第一部に指定変え。
  • 1998年(平成10年)8月21日 - 静岡県のドラッグストアチェーン・株式会社ウイステリアを合併。
  • 2000年(平成12年)4月 - ジャスコ株式会社(現・イオン株式会社)と業務・資本提携。
  • 2003年(平成15年)8月21日 - 株式会社ハックキミサワから株式会社CFSコーポレーションに商号変更。
  • 2004年(平成16年)10月 - イオン株式会社との業務・資本提携を解消。
  • 2005年(平成17年)
    • 2月 - 名古屋証券取引所の上場廃止。
    • 9月 - ヘルス&ビューティーケア事業について、株式会社ダイエーと業務提携。
  • 2006年(平成18年)1月 - イオン株式会社と、イコールパートナーシップに基づく関係構築を発表。
  • 2007年(平成19年)10月 - 株式移転による共同持株会社設立によるアインファーマシーズと経営統合を発表。しかし筆頭株主のイオン株式会社が強く反発。委任状争奪戦の末2008年1月の臨時株主総会で否決され、統合は破談となった(業務・資本提携問題項のアインファーマシーズとの経営統合問題を参照)。
  • 2008年(平成20年)
    • 3月17日 - イオン株式会社との業務・資本提携に合意したと発表。これにより、アインファーマシーズと間で進められていた経営統合は事実上、白紙撤回された。また、同日付で「イオン・ウエルシア・ストアーズ」に復帰。
    • 5月8日 - イオン株式会社との業務・資本提携契約を締結。同時に、公開買付けの上限を引き上げ、公開買付け期間の延長の旨を合意した。
    • 5月14日 - 代表取締役会長兼社長の石田健二(前身の一つである株式会社ハックイシダの創業者)が名誉会長に就任し、石田岳彦が代表取締役社長に就任する。
    • 6月11日 - 公開買付けが6月3日で終了し、増資された普通株式全てをイオンに割当。
    • 9月1日 - 御殿場市との協定に基づき、キミサワの2店舗(御殿場246店・御殿場便船塚店)でレジ袋の無料配布を中止。
  • 2009年(平成21年)
  • 2010年(平成22年)
    • 3月8日 - 企業成長に向けたイオンとの提携関係強化の基本合意(イオンの子会社化、イオンH&BC事業分野の中核会社指定、スーパーマーケットへのイオン直系への分離)を発表。
    • 5月20日 - 株式会社イオンを割当先とする第三者割当増資が行われ、イオンの子会社(50.08%)となる。
    • 5月21日 - 関西地区における「ハピコム」の中枢企業であるタキヤ及び、イオングループのコンビニエンスストアミニストップとの業務提携を発表。
    • 8月20日 - タキヤ・ミニストップとの業務提携に基づき、3社共同出資の新会社株式会社れこっずを設立。
    • 8月21日 - スーパーマーケット事業を吸収分割によりイオンキミサワ株式会社へ継承。同時にイオンキミサワ全株式をイオンへ譲渡し、同社はイオンの完全子会社となった。
    • 10月7日 - 既存の「ハックドラッグ磯子広町店」を業態変更し、ドラッグストアとコンビニエンスストアのハイブリッド業態である「れこっず」第1号店となる「れこっず磯子広町店」をオープン。
    • 11月16日 - 連結子会社の株式会社きずなフーズを解散。
  • 2011年(平成23年)
    • 夏 - イオンリテール株式会社より、「カラダ・ラボ」を承継し、順次「ハックドラッグ」に転換。
  • 2012年(平成24年)
    • 7月1日 - 「カムズクラブカード」とWAONが一体となった「ハックドラッグWAONカード」発行開始。

業務・資本提携問題[編集]

イオンとの業務・資本提携、そして解消

2000年(平成12年)4月、CFSは、当時のジャスコ株式会社(現 イオン株式会社)と業務・資本提携を実施する。

しかし、提携の効果が現れず、CFSは2004年(平成16年)10月に提携解消と発表し、イオン・ウエルシア・ストアーズ(現 ハピコム)の活動を凍結。ところがイオンは「継続している」と主張し、意見が対立していた。

イオンとの「イコールパートナーシップ」

2006年(平成18年)1月には、お互いの主張を受け入れた上で「イコールパートナーシップ」構築を発表、イオン・ウエルシア・ストアーズの活動に関しては、CFS側の主張が通り、凍結を継続するものとした。

アインファーマシーズとの経営統合問題
  • 2007年(平成19年)
    • 10月5日 - 調剤薬局最大手のアインファーマシーズ株式移転により持株会社株式会社CFSアインホールディングス(仮称)を設立し、経営統合することを発表。移転比率はCFS1:新会社0.30、アイン1:新会社1.25。
    • 同日、イオンが記者会見を開き、岡田元也イオン社長が「統合比率がCFSに不利」「(当社に)何の説明もなく自主再建を放棄した」「両社の合意条項に違反」などとCFS経営陣を厳しく非難、経営統合反対を表明した。
    • 11月5日 - CFS・アイン両社が株式移転契約を正式に締結。
    • 11月16日 - イオンと傘下のウエルシア関東マックスバリュ東海の3社が共同で、業務提携を軸にアインとの統合を上回る企業・株主価値向上を図る『CFSコーポレーションのV字回復を目指す企業価値向上策の提案』(イオングループ提案)をCFSに送付。
    • 12月13日 - CFS取締役会が、イオングループ提案の拒否・臨時株主総会の招集(2008年1月22日)・経営統合議案の提出を決議。
    • 12月17日 - イオンが臨時株主総会で経営統合議案を否決するため委任状勧誘を開始したと発表、プロキシーファイト(委任状争奪戦)に突入。
    • 12月29日 - 2008年(平成20年)1月10日 - イオン・CFS両社がそれぞれ株主向け説明会を実施。
  • 2008年(平成20年)
    • 1月11日 - CFSが「米国の大手議決権行使助言機関2社が“統合比率は妥当”と当社経営陣を支持した」と発表。既にイオンに委任状を提出した株主に対しても、「(総会に出席し)賛成しても法的責任は問われない」と再考を求めた。
    • 1月22日 - CFS臨時株主総会招集。特別決議による採決の結果、経営統合議案は42.87%の反対で否決された。経営陣同士で合意した経営統合が、プロキシーファイトの末株主総会で否決され破談となったのは、2007年2月に東京鋼鐵大阪製鐵の経営統合が東京鋼鐵の株主総会で否決された例に続き、過去2例目。
イオンとの業務・資本提携関係回復へ

2008年(平成20年)3月、CFSがこれまでの強硬姿勢から一転、イオングループ提案の受け入れをはじめ、現在の15%から30%前後を上限とするイオンの追加出資(経営の独立性に配慮)、アインとの統合計画を主導した石田健一会長兼社長の引責辞任(5月の定時株主総会後)など、イオンとの関係修復・強化に向け調整していると一部で報じられた。CFS側も、3月3日の発表で未だ合意はしていないものの交渉中であることを認めた。

2週間後の2008年(平成20年)3月17日にイオンとの資本・業務提携に合意したと正式に発表した。これにより、アインファーマシーズとの経営統合問題が事実上終結。同日に提携解消による脱会以来、約3年3ヶ月ぶりに「イオン・ウエルシア・ストアーズ」に復帰した。この復帰を機に取扱を中止していたプライベートブランドトップバリュ・ウエルシア)の取扱再開やイオン銀行ATM設置などの金融サービスの充実を図った。

  • 4月3日 - イオン株式会社による株式公開買い付けの開始を発表。
  • 5月8日 - イオン株式会社との業務・資本提携契約を締結。同時に、公開買付けの上限を引き上げ、公開買付け期間の延長の旨を合意した。
  • 6月11日 - 公開買付けが6月3日で終了し、増資された普通株式全てをイオンに割当
イオンとの業務・資本提携関係強化、イオンの子会社化へ

経営統合問題が解決し、イオンとの関係が回復してから約2年が経った2010年(平成22年)3月8日に当社とイオンの更なる提携強化に基本合意した。具体的には以下の通りである。

  • ドラッグストア事業はイオングループ内におけるH&BC事業分野の中核会社に位置づけ、GMSでのH&BC売場の活性化を進めると共に、グループ内のH&BC事業の強化を図る。イオンはCFSの店舗網を活かして首都圏でのドラッグ事業を強化すると共に、CFSも医療分野並びに関連する周辺ビジネスの本格参入を進める。
  • スーパーマーケット事業部門は今後1年以内にCFSから切り離し、イオンへ継承。イオンが新たに設立する直接子会社の元、「キミサワ」の人材・路線を継承しつつ、収益基盤や店舗網の強化を行い、ブランドの復権を目指す。
  • イオンは当社に対する出資比率を51%を目処とする過半数まで引き上げ、両社の関係をより密なものにする。なお、当社株式の上場維持を前提とし、執行体制は現在の体制を継続する。

上記提携関係強化の一環として、同年3月24日にイオンが当社株式に対する公開買付けを開始。当社も同日に第三者割当による新株式を発行すると共に、イオンが行う公開買付けに賛同する意を表明し、本公開買付けに応募するか否かは株主の判断に委ねることを決議した。これらにより、当社は同年5月20日付けでイオンの子会社となった。

また、スーパーマーケット事業の分割については、同年4月6日にCFSが完全子会社の「イオンキミサワ株式会社」を設立し、同年8月21日付けでCFSのスーパーマーケット事業をイオンキミサワに継承すると共に、イオンキミサワの全株式をイオンへ譲渡。これにより、当社はドラッグストア事業に専念することとなった。またこれにより、ハックドラッグ・キミサワ両店共通であったポイントカード「カムズカード」はハックドラッグのみで運用されることになり、キミサワでは同一仕様のポイントカード「グラッテカード」の運用を開始した。この「グラッテカード」に関しては、イオンキミサワでもイオンの電子マネーWAON」に対応したことや同じ静岡県・神奈川県で「マックスバリュ」を展開するマックスバリュ東海との統合を発表したこともあり、2013年2月28日をもって廃止となった。そして、翌3月1日にマックスバリュ東海へ吸収合併され当社は解散した。既存店舗は現行の店舗ブランドのままで全てマックスバリュ東海の店舗となった。

イオングループH&BC事業分野の中核会社としての本格展開へ

2011年夏頃には、イオングループのGSM・スーパーマーケット事業の中核会社であるイオンリテール株式会社より、中部地区を中心に展開していたドラッグストア「カラダ・ラボ」を承継し、順次「ハックドラッグ」に転換、これをきっかけにイオングループのドラッグ事業・ハピコムとして弱体化していた中部エリア(以前、旧イオン・ウエルシア・ストアーズに加盟していたスギ薬局、現スギホールディングスが中部地区を固めている)の立て直しをH&BC事業分野の中核会社として推し進めることとなった。また店舗地盤から見れば中部とは逆に位置する関東エリアへの本格展開も合わせて進めている。

展開店舗・地域[編集]

展開業態
  • ハックドラッグ(HAC) - 一般的なドラッグストア、調剤併設型も存在する。英字表記の「HAC」とはHealth and Communicationを略した語であるが、2001年(平成13年)以前はHealthy and Cleanの略であった。また、1989年(平成元年)頃までは小文字のhacとなっていた。ロゴが現在の大文字になるまでは「クスリのイシダ」、「ハックファミリーストアー」、「ハックヘルシーワールド」等の店舗名が存在した。
  • ハックエクスプレス(HAC Xpress) - 駅構内の駅ビルに展開する小型サイズの都心型ドラッグストア。
  • れこっず(RECODS) - イオングループのコンビニエンスストアミニストップが併設されたハイブリッド業態。同じグループのタキヤでも関西地区に12店舗を展開している。
展開地域(2012年11月16日現在)
  • 群馬県:1店舗(ハックドラッグのみ)
  • 茨城県:2店舗(ハックドラッグのみ)
  • 千葉県:4店舗(ハックドラッグのみ)
  • 埼玉県:2店舗(ハックドラッグのみ)
  • 東京都:28店舗(ハックドラッグ23店舗、ハックエクスプレス3店舗、れこっず2店舗)
  • 神奈川県:153店舗(ハックドラッグ144店舗、ハックエクスプレス3店舗、ハックベリー1店舗、れこっず5店舗)
  • 山梨県:2店舗(ハックドラッグのみ)
  • 静岡県:88店舗(ハックドラッグのみ)
  • 岐阜県:1店舗(ハックドラッグのみ)
  • 愛知県:17店舗(ハックドラッグのみ)
  • 三重県:3店舗(ハックドラッグのみ)

子会社[編集]

関連会社[編集]

関連項目[編集]

  • イオンキミサワ
  • スギ薬局・スギホールディングス - 前述の通り、2011年より本格展開を始めた中京地区で既に地盤を固めているドラッグストア。また、同社は、最近関東地区への出店も進めており、両地区で敵対関係にあるといえる。

外部リンク[編集]

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