価値観外交を推進する議員の会

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価値観外交を推進する議員の会(かちかんがいこうをすいしんするぎいんのかい)は、2007年5月17日に自民党内で、時の首相・安倍晋三の唱える「価値観外交」を支持する保守系の若手中堅議員が中心となって立ち上げた議員連盟

概要[編集]

人権・自由・民主主義など「同一の価値観を持つ」国家との外交関係を推進する、という触れ込みで結成された。具体的にはアメリカ合衆国イギリスオーストラリア(つまりアングロサクソン諸国)、韓国インドトルコイスラエルグルジア(つまり“親日”とされる諸国)などで、朝鮮民主主義人民共和国イラン中国ミャンマーキューバベネズエラなど覇権主義独裁と目される国家と一線を画し、かつそれらを牽制し民主化を迫るとする、これが価値観外交である。

会長に古屋圭司、顧問に中川昭一が就任した。出席者の多くは安倍と「理念」を共有する議員で、派閥横断で結びつく事実上の「安倍派」の様相を呈している。安倍内閣が掲げる外交政策には「実利」と安倍自身が本来持っている「理念」の両面を内包しているといえよう。前者の「実利」を代表しているのが「北方領土二等分論」に代表される麻生太郎外相(当時)と言え、もう一つの「理念」、さらに言えば制約と隣り合わせにある安倍の、いわば「本音の部分」をサポートしているのが同議連と言える。

初会合では中国に対して古屋会長が「安倍首相が就任直後に日中首脳会談をやったが、軍事費増大など覇権拡張の疑念は払拭されず、中国は共通の価値観を持っている国ではない」と牽制し、続いて顧問に就任した中川政調会長も「我々を包含し、我々が中国の一つの省になることは避けないといけない」と中国への警戒心をあらわにした。

メンバーの多くは「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」にも参加するなど拉致問題歴史認識で安倍と行動を共にしており、拉致議連以上に保守色が濃くなっている。こうした「理念」とは別に、首相の出身派閥の町村派や、タカ派伊吹派など主流派からの参加も目立つ。単に外交に留まらず今後政局に大きな影響を与えるものと見られている。

しかし、2007年7月の参議院選挙での自民党敗北と安倍の首相退陣表明、会の幹部だった赤城徳彦の失点、その後の総裁選で有力メンバーの山谷えり子赤池誠章高鳥修一等が安倍とは外交上の価値観を異にしている福田康夫を支持したことにより会の存続は微妙な状態となっている。ただ、清和政策研究会からの参加者の多くが福田支持に回ったと見られる一方、麻生太郎が領袖をつとめる為公会や、中川昭一の指示で大半が麻生支持に回った志帥会、会が今後も活動を続けるとするとこの両派を中心に動いていくものと思われる。

2007年12月4日、中川昭一が保守の立て直し・再結集のための勉強会を発足させた。無所属の平沼赳夫や志帥会を中心に代理を含めると50人以上が集まった。その中には郵政造反組の姿も見られる。価値観外交を推進する議員の会は同勉強会にシフトしていくものと見られる。

関連項目[編集]